研究課題/領域番号 |
19K19968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
多賀 健 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (30803217)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 技術トレーニング / スキル / 動作分析 / 育成年代 / コーチング / サッカー / ドリブル / トレーニング / 技術指導 / 支援 / スポーツ教育 |
研究開始時の研究の概要 |
近年ICT教育が重視される中、スポーツ教育でもその技術が活用され始めている。しかし、生徒の課題認識が困難で、簡易利用可能なツールもなく実用化されていない。例えば、サッカーのドリブルは競技特性上長年重要視されているが、学術的技能構造が未解明なため適切な指導法も未確立である。そこで本研究はサッカーのドリブルにおいて①モーションキャプチャーによる3次元動作分析で習熟度別技能構造の解明、②解明した技能構造に沿った習熟度別チェックリストを用いて生徒の動作課題を可視化し、見える化指導に繋がるアプリ開発、③開発したアプリを5年間の高専教育での長期的な効果検証することで、技術指導支援モデルの構築を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は体育・スポーツにおける技術指導支援モデルの構築に向け,サッカーのドリブルスキルを題材に,指導法の開発と効果検証を目的とするものである。 2023年度の研究目的は,サッカーにおける異なる年代及び習熟度での突破のドリブル動作様式の違いを明らかにすることであった.実験参加者は,サッカー部に所属する大学生15名,運動部に所属するサッカー競技経験がない大学生13名,サッカークラブに所属する中学2年生16名,運動部に所属するサッカー競技経験がない中学2年生14名であった.測定は,スプリント走と直線ドリブル,シザースフェイントを行い,それぞれの動作様式を比較検討した.その結果,シザースフェイの準備局面では,守備者との間合いにおいて,いずれの群間においても有意差は認められなかった.シザースフェイントの主要局面では,ステップ時の支持脚最小膝関節角度は大学生上級者群がその他の群より有意に小さかった.ステップ時の支持脚最小膝関節角度時における支持脚足関節は,大学生上級者群がその他の群より斜め後方にあり,その際の支持脚はサッカー上級者群がサッカー初級者群より進行方向だけでなく,横方向に有意に傾いていた.ステップ時のX軸方向における体軸最大傾斜角度は,サッカー上級者群の方がサッカー初級者群より有意に傾いていた.ステップ後の支持脚最大膝関節伸展速度も大学生上級者群がその他の群より有意に大きかった.シザースフェイントの終末局面では,身体重心速度は大学生上級者群がその他の群よりも有意に速かった.以上のことから,習熟度の高い大学生上級者群は,ステップ時に体軸角度を進行方向に前傾させ,ステップ間隔を広げると共に、支持脚の膝関節角度を小さく,ボール運び時の支持脚膝関節伸展速度を増加させ,身体重心速度を高めている可能性があり,守備者との間合いやボール進行角度等においても再現性の高い技術発揮を行っていることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中学生年代のドリブルトレーニングによる動作様式の変化、及びゲームパフォーマンスに及ぼす影響については、今現在は体育学研究に掲載されている。今現在は、サッカーのドリブルスキルにおける年代別、熟度別の技能構造を解明するために、モーションキャプチャーによる3次元動作分析を行っているが、そのデータ分析はやや遅れている。2024年度内にその成果を論文としても形にする予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、サッカーのドリブルにおける年代別、習熟度の技能構造を解明し、学術雑誌に投稿する予定である。そして、本研究の目的であるサッカーのドリブルスキルを題材とした、体育・スポーツにおける技術指導支援モデルの構築に向けた指導法の開発へ繋げていきたい。
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