研究課題/領域番号 |
19K19984
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
平吹 一訓 杏林大学, 医学部, 医員 (70793694)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 起立耐性能力 / 最大酸素摂取量 / 左室捻転運動 / 左室リモデリング / 心臓リモデリング / 心肺機能と起立耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
適度な有酸素運動が心血管機能の改善に有効である一方、過度な有酸素運動は心血管リスクを憎悪させる可能性が指摘されている。同様に過度な有酸素運動により起立耐性能力が低下することが知られており、心臓のリモデリングが主因とされている。しかし、厚生労働省でのガイドラインでは適切な運動量の上限は明確に示されていない。本研究では①起立耐性機能を指標化できる最大下肢陰圧負荷試験を用いることで運動能力(最大酸素摂取量)と起立耐性機能の関係を明らかにし、②最大下肢陰圧負荷試験中の心機能を最新の3次元超音波機器で評価することで心臓リモデリングに伴う心機能変化と起立耐性低下の生理学的メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は健康維持に適切な運動量の上限を決めるために最大酸素摂取量と起立耐性機能の関係を明らかにすること、その関係を引き起こしている生理学的機序を明らかにすることを目的としている。本年度も昨年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で被験者数を増加することが難しく、被験者数増員はわずかだった。 当初の計画では最大酸素摂取量(VO2max)によって5ml/kg/分毎にグループ分けを行い、起立耐性能力を比較する予定であったが、前述のように被験者数が思うように増加しなかったため、まずはVO2maxの値順に3グループ(体力レベル低・中・高)に分け、起立耐性能力を比較した。VO2maxと起立耐性能力評価の実験方法はこれまでと同様である。被験者は健常男性28名(24±7歳)であった。VO2max値によって分類された3群[低群(n=11, VO2max:32.6±7.0 ml/kg/分), 中群(n=9, 47.6±5.2 ml/kg/分), 高群(n=8, 61.6±2.4 ml/kg/分)]でCSIを比較したところ、低群(CSI:1503±551 mmHg・分)と中群(1604±691 mmHg・分)の間には差を認めなかったが、高群(761±280 mmHg・分)は低群及び中群よりも低かった(vs L群: p=0.02, vs M群:p=0.02)。この結果よりVO2maxが50ml/kg/分程度までは起立耐性が維持される可能性が示唆された。これらの結果について第77回日本体力医学会大会で発表を行った。今後は被験者数をできるだけ増やし、より細分化したグループ分けを行い、体力の上限を明らかにする。また、体力レベルによる左室捻転運動の違いについてもグループ間で比較を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響で被験者の獲得は遅れが生じている。現時点でのデータだけで解析したものは被験者数が少ないながらも予想通りとなっているため、被験者数を増やしていく。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様に被験者数を増員し、最大酸素摂取量の測定、起立耐能力評価、起立負荷時の3D心エコー測定を実施する。さらに細分化した体力レベルでの区分を行い、適切な運動レベルの上限の設定を目指す。
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