研究課題/領域番号 |
19K19995
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松倉 啓太 同志社大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80648676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | サッカー / ゴールキーパー / プレジャンプ / プレー分析 / 視覚探索 / キーパー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,「打たれたボールに短時間で反応し,より早くボールまで移動する」という競技横断的な課題へのアプローチである.特に移動の事前動作に着目し,代表的事例として,サッカーのゴールキーパー(GK)がシュートに対する素早い移動への事前動作として行う,「鉛直方向に軽くジャンプする動作(プレジャンプ=PJ)」を分析対象とする. 具体的には,①異なるスタンス幅でのPJの接地を行った場合の移動時間を比較し,どのようなスタンス幅でのPJ実施が効果的であるかを検討する.②被験者にGK目線で撮影した試合映像を提示し,高い競技レベルを有するGKが,どのような視覚情報を基に,PJ開始のタイミングを計るのかを検討する.
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研究実績の概要 |
22年度は,21年度に引き続きサッカーのゴールキーパー(GK)のプレジャンプを含む事前動作を対象に,シュートが放たれる際の事前動作実施までのGKの視覚探索動作をテーマに昨年度実施したトッププレイヤーを対象としたシュートに対しての視覚探索動作のデータ分析を行った. 分析結果からはトッププレイヤーの特徴として,大学生プレイヤーと比較して相手からシュートやクロスボールが蹴られるまでの一連の流れの中でクロスボールが蹴られる瞬間から逆算して,より早い時間からキッカーを視野に入れていたことが確認された.また,より多くの注視行動と高い注視割合(区間の総時間に対する注視合計時間の割合)が確認された.このことはトッププレイヤーの方が,より多くの注意点から状況認知を行っていたことを示唆するものである.加えて試技後のインタビュー調査のトッププレイヤーの語りからも,より多くの状況認知とそれに伴う予測に関する発話が確認された. したがってトップレベルのGKはクロスが蹴られるまでの局面で,獲得した情報から行う予測(多くの選択肢とその後の展開)の能力に長けているため,最終的にボールが蹴られる直前ではキッカー周辺の情報に注意を払うような方策を用いていたと考えられる. これらの内容は23年3月に行われた日本フットボール学会20thCongressにて口頭発表を行った. このような実際のゲーム状況に近い形でGKの視覚探索行動を測定した事例は国内外において稀であることから,GKがゲーム中に求められる様々な意思決定のメカニズムを明らかにする一助となると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルスまん延における研究活動の制限と動作分析に必要となる機器の導入が滞ってしまったため,当初の予定よりは遅れてしまっているが,代替機器の導入を進めていることから,23年度には実施できると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
次の段階として,このような状況認知と実際の動作との関わりを分析し,本テーマであるプレジャンプの効果的な実施に向けた指標作成へと繋げていきたいと考えている. 具体的には対象者が視覚に捉えている相手競技者の動きと,対象者のプレジャンプ動作の開始タイミングをサンプリングすることで,最適な動作開始タイミングと,それを可能にするために“どのような情報”を相手競技者の動きから読み取るべきなのかを解明していく予定である.
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