研究課題/領域番号 |
19K19996
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
細川 由梨 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (30822829)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 労作性熱中症 / 運動部活動 / スポーツセーフティ / WBGT / 湿球黒球温度 / 熱疲労 / 傷害発生率 / 部活動 |
研究開始時の研究の概要 |
WBGTに基づいた運動指針は高等学校運動部の指導者らが使用することで未然に労作性熱中症の予防を図ることが期待されている。しかしながら、現存の労作性熱中症予防のための指針は専門家の経験則や海外の先行研究により導かれたものであり、日本の気象および高等学校運動部の傷害データに基づいていないのが現状である。そこで本研究では実際の気象と傷害データに基づいた運動指針の再検討を行い、国内のデータに基づいた熱中症予防のための運動指針の作成を目指す。
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研究成果の概要 |
本調査4年度分のデータから算出された運動部活動中の熱中症発生率は1.98/1,000 AE (95%CI, 1.63―2.38)であった。WBGTが28°C以上の条件において熱中症が1件以上発生するオッズは2.2倍 (95%CI, 1.39― 3.65; p<0.001)であった。WBGT31°C以上と未満の条件下で比較すると、オッズは4.5倍 (95%CI, 2.40―8.58; p<0.001)に増加した。 運動中の熱中症予防行動によって熱中症発生のオッズは統計学的に有意に低下せず、活動中のWBGT最高値が1°C上昇するごとに熱中症が発生するオッズが32.2%上昇することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本スポーツ協会では労作性熱中症の予防対策の一つとしてWBGTに基づいた運動指針を公表しているが、その指針と高校運動部活動における熱中症発生率の関連性は検証されていなかった。本研究結果により、WBGTが高値を示す場合においては熱中症予防対策を現場で講じていたとしても普遍的な熱中症罹患のリスクが存在することが明らかとなった。また、運動開始時のWBGTではなく活動中に観測された最高値が有意に熱中症オッズを上昇させたことから、活動中に継続的にWBGTを観察する重要性が示唆された。
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