研究課題/領域番号 |
19K20007
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 福岡大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
木戸 康平 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (50822730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | レジスタンス運動 / インスリン感受性 / 骨格筋 / AMPK / mTORC1 / IRS-1 / 糖取り込み / 絶食 / mTORC1 / 糖代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、単回の有酸素性運動が、骨格筋のインスリン感受性を長時間高めることが多数報告されている。また、単回のレジスタンス運動が引き起こす骨格筋内の分子応答は、有酸素性運動よりインスリン感受性を強く改善する可能性を示唆している。一方で、レジスタンス運動が、インスリン感受性を悪化させる分子の活性を惹起することも報告されており、実際のインスリン感受性に対する運動効果は不明確である。そこで、本研究では、単回レジスタンス運動による骨格筋のインスリン感受性改善効果の有無を、分子機序に基づいて解明する。
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研究成果の概要 |
運動で効果的に糖代謝を改善させるための分子基盤を構築するため、本研究では、単回レジスタンス運動後のシグナル活性がインスリン感受性に及ぼす影響について検討した。実験動物に対する薬理的実験により、単回レジスタンス運動は、骨格筋のインスリン感受性を亢進する一方で、インスリン抵抗性に関わる因子(mTORC1)の活性化を引き起こすことが明らかになった。mTORC1の活性化は、レジスタンス運動によるインスリン感受性亢進効果を抑制するが、この抑制制御は、絶食時に運動を実施することで最小限に抑えられることも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、単回のレジスタンス運動が、その後のインスリン感受性に与える影響は明らかでなかった。つまり、本研究は、単回レジスタンス運動の実施が、インスリン感受性の改善に有効であることを初めて示した知見となった。運動の継続的な実施に抵抗感のある糖尿病患者にとっては、一回の運動が血糖コントロールの改善に効果的であるという知見は、運動実施意欲の維持、向上に繋がる。さらに、レジスタンス運動特異的な作用機序の一端を明らかにしたことは、患者の病態や投薬状況を考慮した運動種別の選択に貢献し、運動処方の臨床的汎用性を高める基礎データの構築に繋がった。
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