研究課題/領域番号 |
19K20020
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 筑波大学 (2020-2022) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
朝倉 雅史 筑波大学, 人間系, 助教 (50758117)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 専門性と専門職性 / リーダー / 専門職基準 / プロフェッショナル・スタンダード / マネジメント行動 / コミュニティ意識 / コンピテンシー / マネジメント / 主観的キャリア / 客観的キャリア / スポーツ組織 / キャリア・トランジション / 学習転移 / スポーツ実践者 / スポーツ指導者 / 経営管理者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、体育やスポーツに関連する組織(学校・地域スポーツクラブ・競技団体・各スポーツ種目団体)の経営管理者にみられる、スポーツの「プレーヤー」から「コーチ」そして「マネージャ」というキャリアの移行(トランジション)が、彼らの経営実践にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにするため、ある経験や学習が、後の経験や学習に影響を与える「学習転移」に着目した実証研究を行う。具体的には、4ヵ年を通じて先行研究の検討と整理、アンケートおよびヒアリングによる実証的な調査と分析を行う。そして、体育・スポーツを経営管理する人材のキャリアの在り方について考察し、その育成に資する知見を示すことを目指す。
|
研究実績の概要 |
本年度は、主に保健体育科教員が校長職入職に至る過程に注目するため、優れた保健体育科教員がどのように捉えられているのか、その内容には校長職に求められる資質能力やモノの見方・考え方が含意されているのかを検討した。ただし、優れた保健体育科教員を一義的に定めることは難しく、特に、国内ではそれを言明化することは行われていない。そこで海外の動向に着目し、米国において1980年代から策定が進められてきた全米専門職基準委員会の専門職スタンダード(professional standards)の内容分析を行った。その際、「専門性」と「専門職性」の概念を分析の枠組みとして設定することで、個々の教員が備えるべき資質能力(専門性)だけでなく、保健体育科教員という職業の社会的地位(専門職性)を検討した。専門職スタンダードの大きな特徴は、知識や技能に代表されるような個々の教師の資質能力はもちろんのこと、優れた保健体育科教員が、学校内外、地域、社会においてどのような「役割」を果たすべきかを規定している点に見出された。このことに鑑みると、学習指導者から組織の経営管理者への移行にみられる、プレイヤーからリーダーへの移行は、学校内の一教員としてだけでなく、学校外の地域全体が抱えている健康や運動に関わる問題を解決する「リーダー」としての地位を築いていくものであり、社会との相互関係の中で構築される専門職性の高まりの側面を有していることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析の枠組みを構築するにあたり、海外での調査等をおこなったことにより、当初予定していた、保健体育科教員および校長職を対象とした調査が未だ実行できていないため。
|
今後の研究の推進方策 |
スポーツ実践者から経営者への学習転移プロセスを検討するために学校体育領域では保健体育科出身の現職校長、地域スポーツクラブのマネジャー対象の質問紙調査票を作成して実施し、学習転移過程の実証分析を行うこととする。
|