研究課題/領域番号 |
19K20021
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
小山 桂史 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 准教授 (70637090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 足部 / 垂直跳び / ドロップジャンプ / 内側縦アーチ / 3次元動作分析 / 足指把持筋力 / 跳躍 / 中足趾節関節 / 力発揮増幅機能 / アーチ動態 / 裸足 / ウィンドラスメカニズム / 足底腱膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ドロップジャンプにおける足部アーチ機能を解明するために、ドロップジャンプ中の足部アーチ動態を3次元動作分析法で定量する方法を確立して、足部アーチの機能性を下肢関節動作、地面反力との連動性から評価する。さらにドロップジャンプにおける足部保護装具による即時的な足部アーチ制限の影響や、ドロップジャンプの継続的なトレーニングによる足部アーチ機能への効果について検証する。最終的には足部アーチを効率的に機能させる有効な足部トレーニングプログラムや新たな足部保護装具の開発への実践的応用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、ドロップジャンプ中の足部アーチ動態を3次元動作分析法で定量する方法を確立して、足部アーチの機能性を下肢関節動作、地面反力との連動性から評価することである。当該年度では、反動有無による垂直跳び、ドロップジャンプの足部アーチ動態を複数台の赤外線カメラを使用して、足部に貼付した反射マーカの3次元座標値を得て、足部アーチ動態を3次元で動作分析を実施した。同時に地面反力を測定した。その結果、垂直跳び時では鉛直方向の地面反力の増減に伴い、アーチ動態も変化を示した。特に反動を利用することで、アーチ動態の変化量が大きくなった。この理由として、反動を伴う垂直跳びでは反動を伴わない垂直跳びと比べて、反動による鉛直方向の地面反力の低下(抜重)が見られる。そのため、それによりアーチ高が一度、高くなる。その後、地面反力が大きくなるため、アーチ高の変化量も大きくなったことが考えられる。すなわち、下肢の反動の利用は垂直跳びでの足部アーチ動態を大きくすることがわかった。アーチは弾性体でその弾性利用がヒトの身体運動能力に関連することが考えらえれている。したがって、下肢の反動の利用はアーチ動態を大きくするため、跳躍能力にも影響していることが考えられた。ドロップジャンプへ時の足部動態については現在、解析中である。また床面の硬さが両足ジャンプからの片脚着地時の動的安定性に及ぼす影響を検討した。床面に何もない条件と、床面にウレタン素材がある条件で比較した。その結果、動的安定性は変わらなかったものの、ウレタン素材への着地では前後方向や鉛直方向の安定性が向上した。もしかすると、足部への衝撃や足部の保護装具がアーチを含めた足部機能に何らかの影響を及ぼし、各方向の安定性に影響したことが考えられた。今後、足部動態がジャンプの着地時の安定性に及ぼす影響についても検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の課題を解決すべく、4つの研究テーマがある。それらは1)3次元動作分析法で定量する方法を確立すること、2)足部アーチの機能性を下肢関節動作、地面反力との連動性から評価すること、3)足部保護装具による即時的な足部制限が跳躍機能に及ぼす影響を検討すること、4)ドロップジャンプを含むトレーニングが足部機能に及ぼす効果を検討することである。これまで2)と3)では足部装具の足関節サポータの装着が反動を使用した垂直跳びでのパワー発揮を低下させ、下肢関節動作、地面反力との連動性の重要性がわかった。また4)ではドロップジャンプを含んだ敏捷性、瞬発性、筋力を向上させる12週間のトレーニングは足指把持筋力を向上させ、その向上が姿勢制御能力の改善に直接、影響しないことが考えられ、姿勢制御能力の改善はその他の要素が関連することが考えられた。これらの2)、3)、4)については国外の学術誌にも研究成果として報告することができた。1)については、実験が進んでおり、垂直跳びのデータについては国内の学会で発表済みである。またこのデータに加え、両足ジャンプからの片脚着地時で床面の素材による安定性の違いについても検討し、足部アーチ動態の影響が示唆された。これらのデータに加え、現在、ドロップジャンプ中の足部アーチ動態を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度では、研究課題の4つの項目のうち、2)足部アーチの機能性を下肢関節動作、地面反力との連動性から評価すること、3)足部保護装具による即時的な足部制限が跳躍機能に及ぼす影響を検討すること、4)ドロップジャンプを含むトレーニングが足部機能に及ぼす効果を検討すること、の3つに焦点を当て、研究成果を発表した。その結果、2)と3)では足部装具の足関節サポータの装着が反動を使用した垂直跳びでのパワー発揮を低下させ、下肢関節動作、地面反力との連動性の重要性がわかった。また4)ではドロップジャンプを含んだ敏捷性、瞬発性、筋力を向上させる12週間のトレーニングは足指把持筋力を向上させ、その向上が姿勢制御能力の改善に直接、影響しないことが考えられ、姿勢制御能力の改善はその他の要素が関連することが考えられた。その後、両足ジャンプからの片脚着地時で床面の素材による安定性の違いについても検討し、足部アーチ動態の影響が示唆された。そして、反動を使用しないおよび使用した垂直跳びでは、反動による鉛直方向の地面反力の低下(抜重)が見られ、それによりアーチ高の変化量も大きくなったことが考えられた。すなわち、下肢の反動の利用は垂直跳びでの足部アーチ動態を大きくすることがわかった。アーチは弾性体でその弾性利用がヒトの身体運動能力に関連することが考えらえれている。したがって、下肢の反動の利用はアーチ動態を大きくするため、ジャンプからの着地時の姿勢制御能力のみならず、跳躍能力にも影響していることが考えられた。
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