研究実績の概要 |
アスリートのバーンアウト傾向がCARに及ぼす影響について検討した研究が, 国際誌「International Journal of Sport and Health Science」に掲載された. この研究では, アスリートのバーンアウト傾向とCARの亢進, AUCg の増大が関連し得ることを明らかにした. しかし, HPA系によるストレス応答システムではコルチゾールと同様に副腎皮質から分泌されるDHEAの分泌が認めれている. DHEAは抗ストレス物質とも言われており, コルチゾール分泌とのバランスがアロスタシスに重要とされている. 従って, 続いての研究ではDHEAも同時に測定をして, コルチゾール/DHEA比に着目した検討を進めていきたい. 2023年度8, 9月に女性アスリート(大学生)を対象(105名)にデータの収集を行った. 起床直後, 15分後, 30分後の計3点で唾液採取(Passive Drool法)を行い, さらに心理検査(バーンアウト, ストレス, リカバリーなど)を実施した. 事前に研究対象者への研究説明会を行い, その中で唾液採取の方法, 留意すべき点(制限事項としてアルコール摂取, 激しい運動, 朝食は唾液採取後など)などについて丁寧に伝えたことで, 問題が生じることなく多くのサンプルの収集に成功することができた. また, 自宅での唾液採取は自然日常下でのストレスを定量化ができる一方で, complianceが問題となっている. 本研究では, complianceについてのアンケートを収集すると共に(ex.唾液採取時間, 2度寝の有無), サンプルを回収する時に口頭でも丁寧に確認を行った. データ(唾液サンプル)については今後ELISA法により起床時コルチゾール/DHEA反応の定量化を試みる. そのうえで, アスリートのバーンアウト傾向, ストレス/リカバリーバランスとの関連性を詳細に検討していきたい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は, 8, 9月に女性アスリート(大学生)を対象にデータ収集を行った(105名). 具体的には, 起床直後, 15分後, 30分後の計3点で唾液採取及び心理検査(バーンアウト, ストレス, リカバリーなど)を行った. 事前に研究対象者への研究説明会を行い, その中で唾液採取の方法, 留意すべき点などについて丁寧に伝えたことで, 問題が生じることなく多くのサンプルの収集に成功することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後は, ELISA法により起床時の唾液コルチゾール濃度値, DHEA濃度値を推定し起床時コルチゾール/DHEA反応の定量化を試みたい. そのうえで, 心理検査(バーンアウト傾向, ストレス/リカバリー)結果との関連性を検討していく. これらの研究成果は2024年度に学会発表を行い, 論文執筆へと繋げていきたい.
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