研究課題/領域番号 |
19K20022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 金沢星稜大学 |
研究代表者 |
門岡 晋 金沢星稜大学, 人間科学部, 講師 (10712193)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コルチゾール / ストレス / バーンアウト / アスリート / アロスタシス / アロスタティック負荷 / モニタリング / コンディショニング / DHEA / リカバリー / 精神神経内分泌免疫学 / Th1 / Th2 / CAR / DAR / Th1/Th2バランス / リカバリ― |
研究開始時の研究の概要 |
慢性的ストレスによるモチベーションやパフォーマンスの低下は,生理学的応答の破綻が関与していると考えられる.近年,視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)を通じて副腎皮質から分泌されるコルチゾールやDHEAが,起床直後急激に上昇する反応(起床時コルチゾール/DHEA反応)を示すことが報告されおり,ストレス関連疾患や精神疾患と関連することが明らかとなってきている.本研究では起床時コルチゾール/DHEA反応を指標として,アスリートバーンアウトの生理学的機序について検討していく.これらを検討することで,バーンアウトにおけるストレス/リカバリー評価の方法として新たな示唆を得ることを目的としている.
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研究実績の概要 |
2022年度は、バーンアウトが起床時コルチゾール反応(Cortisol Awakening Response: CAR)に与える影響を検討した論文について、英文誌への投稿作業を進めた。現在、投稿も完了して査読審査中である。また、「これから学ぶスポーツ心理学-三訂版-(荒木・山本編著、大修館書店)」の第Ⅴ部3章「健康状態のモニタリング」を執筆・担当した。 内容としては、唾液中ストレスマーカーを指標としたアスリートのモニタリングについて、意義・理論的背景・研究レビュー・今後の展望などについてまとめた。 バーンアウトの発生には、 起床時コルチゾール/DHEA反応における異常反応が関与していることが考えられる。これらの生体に認められる異常反応を緩和していくことが、バーンアウトの予防に寄与する可能性がある。従って、2022年度は新たなデータ収集が難しかったこともあり、それらを緩和することを可能にする心理学的アプローチについても検討を試みた。具体的には、脳科学の知見を基盤にストレス制御のアプローチとして効果が示されているマインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction: MBSR)の8週プログラムに参加をして、 新たな研究の着想を得ることができた。マインドフルネスはアスリートのパフォーマンス向上に役立つことも明らかにされてきており、アスリートの導入する心理学的アプローチとしては親和性が高いと言える。これらのプログラムが、バーンアウトの発生に関与する起床時コルチゾール/DHEA反応(HPA系活性の動態)にどのように関連するのかは今後検討の余地がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
唾液中の物質を扱う研究であることから、新型コロナウィルス感染が流行している状況ではデータ取得が困難であった。そのため、新たなデータ取得は行わず、論文投稿、文献レビューなどを中心に研究を進めていった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に入ると新型コロナウィルスによる規制も大幅に緩和される見込みである。当初、想定していた研究プロトコル(唾液中物質の収集、チームを対象にした測定等)により確実にデータを取得して、バーンアウトが起床時コルチゾール/DHEA反応に及ぼす影響について検討していきたい。
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