研究課題/領域番号 |
19K20062
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大前 佑斗 日本大学, 生産工学部, 講師 (00781874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 深層学習 / 機械学習 / アルゴリズム / ディープラーニング / 人工知能 / スポーツ科学 / スポーツ工学 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の国際競技力を向上させるためには,スポーツ指導に長けた優秀なトレーニング指導員がアスリートの数だけ必要となる.一方,実際のトレーニング現場では,指導員の不足が指摘されている.トレーニング指導は,アスリートの身体動作を正確に把握し,適切な指示を行う必要がある.このことから,熟達したトレーニング指導員を短期間で増加させることは困難である.この問題を解決するひとつの手段として,人工知能の適用が考えられる.本研究では,慣性センサによりアスリートの身体動作データを取得し,そのデータから優秀なトレーニング指導員の判断基準を獲得する人工知能を構築することで,前述した課題への対応を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では、アスリートの身体に装着された加速度・角速度センサで測定された信号から、ディープラーニングによるクオリティ判定を行うことを目的としている。このためには、身体中に装着された加速度・角速度信号の中から、どの信号が重要なのかを明らかにし、不要な信号を取り除き、省コストな環境にすることが望ましい。一方で、これをシステマティックに行う技術は著者の知る限り存在しない。そのため本研究では、ディープラーニングの入力層から不要な信号を除去するアルゴリズム Features Gradient-based Signals Selection Algorithm (FG-SSA) を提案した。これは、Grad-CAM の計算過程で得られる特徴勾配の情報を利用して、線形オーダーの計算量でクラス分類に必要な最低限の信号を抽出するアルゴリズムである。この有効性を、OPPORTUNITY Activity Recognition Dataset を用いて調査した。これは、3軸加速度センサ5つ・15信号からなるデータであり、日常行動がラベリングされている。実験の結果、15個の加速度信号から、汎化性能を下げることなく平均6.65個の信号を除去できることが確認された。このことから、提案するアルゴリズムは身体動作のクラス分類問題において不要となる信号を削除することができる機能を有すると解釈できる。本手法は、フルペーパーの査読付き英文誌 AIMS Mathematics に採択・公表された。そのほか、ディープラーニングのパラメータ最適化に利用されるガウス過程ベイズ最適化のパフォーマンスに対するいくつかの実験的考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慣性センサによるアスリートのコーチング支援環境として、不要な信号・センサを明らかにするアルゴリズムを開発できたため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、少数のコーチ・多数のアスリートという従来型の指導環境下において、本研究で開発したディープラーニングによるクオリティ判定モデルをどのように活用すれば良いのか、そのフィードバックのあり方について検討する。具体的には、情報を統合するサーバPC、コーチが持つタブレット端末、アスリートが装着した慣性センサ付きのスマートウォッチ、およびそれらを接続する通信システムのネットワークトポロジの構成について提案を行う予定である。
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