研究課題/領域番号 |
19K20080
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 東京女子体育短期大学 (2020) 東京女子体育大学 (2019) |
研究代表者 |
武藤 伸司 東京女子体育短期大学, その他部局等, 准教授 (90732777)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 現象学 / スポーツ運動学 / 質的研究 / 本質直観 / 借問 / エメルシオロジー / 現場へのコミット / 方法論 / アウトドアスポーツ / 間身体性 / 明証性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、自己の主観的な体験記述の明証性ならびに他者の主観的な経験の体験記述における必当然的明証性を証明し、質的研究の正当性を確保することにある。客観的と解釈される数量的なデータによる研究とは異なる研究方法を哲学的に確立することで、様々な研究領域にこの方法論を波及させたい。そのために、質的研究の探究プログラムの構築し、モデルケースを幾つか提示することで、事例化する。このことにより、質的研究が使用可能なものとして研究実践の拡大に寄与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題における成果は、現行における様々な質的研究方法を検討し、その吟味から、身体運動(体育やスポーツ)の主観的な体験を研究するための実践的な方法論を提示した点にある。哲学における現象学の本質直観という方法と、スポーツ運動学における借問という方法を組み合わせ、研究者の対象への観察、関与の在り方と方法を示した。具体的には、研究者による事象への積極的なコミットを重要視することで、対象から距離をとるのではなく、逆に対象へと入り込むことで、有用な研究成果を提示できるというものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果における学術的な意義は、質的研究方法の利点を再提示し、科学的な研究における一般的な方法とは異なる研究方法の可能性を示した点にある。それは、科学的な研究が量的データのエビデンスを重視するために、研究対象から距離を取り、客観性を重視することに対し、それとは逆に、積極的に研究対象に関わり、研究対象との距離を縮め、研究者や対象者の主観性を重視するということである。量的研究で顧みられることの少なかった質的な意味や価値を、哲学の方法論で積極的に研究主題として「客観的に」認められ得る可能性を示したことは、今後の質的研究のバリエーションを広げ、研究自体の可能性を拓くものと考えられる。
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