研究課題/領域番号 |
19K20081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊佐野 龍司 日本大学, 文理学部, 准教授 (00734112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 球技 / 身体 / 参与観察 / 共感 / 現象学 / 体育授業 / 体育教師 / 図式化 / 構造分析 / 発生分析 / 構成 / 身体性 / 実践的知識 / 授業研究 / ボールゲーム / 特別な支援を有する生徒 / 球技指導 / 多元性 / 方法論的態度 / 認識論 / 身体教育 / 特別な教育支援 / 関係性 |
研究開始時の研究の概要 |
学校体育における球技「ゴール型」の内容は,多様な状況下で複数の人数が活動するため,「他者の意図に共感する・文脈を読む等が困難」なASDの傾向が強い生徒は内容を修得することが困難となる.次期学習指導要領では「個々の困難さに応じた指導方法」を要請しているが,主流である球技の学習指導はゲーム状況から抽出された部分的練習をゲームで再現する因果的方略であるため,練習を試合の文脈に結合できない生徒に対して有効な指導とは言えない.本研究は人々の身体に通底する意識・共感の仕組みを解決の拠所として空間の構造を再考し,特別な教育的支援が課題を必要とする生徒にも適応可能な球技の指導方略を提示することを目的とする.
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研究成果の概要 |
本研究は特別な教育的支援を必要とする生徒に通じる球技の指導方略を提案するために教育的支援が必要となる生徒が通う通信制高等学校において,3年間に渡る参与観察を実施した.その結果,体育教師には球技の教材を用いて①生徒の身体を介した関係性の構築②人・制度といった階層構造をなした働きかけを通して生徒のパトスを調整する実践知を有していると解された.また,ゴール型ボールゲームにおける「ボールを持たないときの動き」の身体図式を現象学的運動分析によって呈示した.これらの現象学に基づく意識や共感の仕組みを拠り所として導出した知見を援用することで,本研究が企図する球技の指導が実践可能となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特別な教育的支援が必要となる生徒が集まる通信制高等学校において球技指導を通じた生徒の関係性構築に実績を上げる体育教師の実践知を開示することで,本研究が目的とする指導方略の適用を下支えする教師の専門性向上に貢献する.また,「ボールを持たないときの動き」の身体図式の呈示は,養成段階から学習者自身の動感発生様態を厳密に分析することを促進させることとなり,ひいては体育教師が具備するべき観察能力の向上に結実する.
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