研究課題/領域番号 |
19K20099
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 中部学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
小椋 優作 中部学院大学短期大学部, 幼児教育学科, 講師 (50804704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 幼児 / 体力・運動能力 / 投能力 / 筋発揮 / 幼児期 / 筋発揮特性 / 投動作 / 縦断的研究 |
研究開始時の研究の概要 |
子どもの運動能力低下は,幼児期から始まっており,その要因として走・跳・投といった基本的な動きの未習得が挙げられる.また,同じような運動経験や運動指導があっても動作の質や技能に違いが見られ,その原因には,力を入れるタイミングなどの「勘」や「コツ」といった内的要因を決定する運動制御能力が大きく関与している可能性が考えられる. そこで本研究は,幼児を対象に,投動作中の筋活動について,ワイヤレス筋電計を用いて計測し,動作の内的要因となる筋発揮メカニズムを縦断的に検討することで,その発達過程を明らかにすることを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究は,幼児における投に着目し,投動作の内的要因となる筋発揮メカニズムについて,その発達過程を解明することを目的とした.2022年度は,2021年度に引き続き,協力園の3園に在籍する幼児を対象に,投動作及び投能力を測ることができる「ソフトボール投げ」をはじめ,他6項目(握力,立ち幅跳び,25m走,反復横跳び,体支持持続時間,長座体前屈)の体力・運動能力測定を実施することができ,年中時と年長時の2年間分の縦断的資料(男児:37名,女児:32名)を収集することができた.その結果,ソフトボール投げの記録において,男女ともにトラッキングすることが確認された.特に男児は年中時から年長時において,女児よりも高いトラッキング状況が示された.また,これまで収集した幼児から小学生までの縦断的体力データ(握力,長座体前屈,50m走,立ち幅跳び,及びソフトボール投げ)を分析した結果,小学6年時の高運動能力保持者は,どの項目においても,小学3年時から高い割合(約8割)でトラッキングしており,小学3年時から小学6年時までの間,評価帯が大きく変化することなく成長していることが示唆された.一方で,高投能力者は年中時からであっても高い割合でトラッキングしている状況であり,他の能力とは様相が異なっていたため,投能力は他の能力よりも早い段階で能力差が出現する可能性があると考えられた.そして,これらの研究結果を国内の主要学会(日本教育医学会,東海体育学会,日本標準化学会 etc.)で発表し,本研究で得られた科学的エビデンスを保育や教育界に広めるよう努めた. しかし,縦断的調査においてデータ数がまだ少数であることと,筋発揮能力の測定に関しても当初の予定通り進めることができなかったため,研究の期間延長を申し出た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度に拡充した協力園に関して,引き続き協力を仰ぐことができたため,2年間の縦断的体力データを収集することができた.また,投能力に関する縦断的データの分析・解析を進めることができ,国内の学会で研究発表を行うことができた.現在は,投能力とその他の能力の発達の関連についても分析を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,これまで信頼関係を築き上げた協力園と,これまでと同様に体力・運動能力測定の実施を進めていき,縦断的な体力データ数を増やす一方で,その分析を進めていく予定である.また,一部内容を変更して筋発揮能力の測定を実施していく予定である.
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