研究課題/領域番号 |
19K20113
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
早川 智久 大阪大学, 薬学研究科, 特任助教(常勤) (60773132)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 老化 / 汗腺 / 細胞株 / 不死化細胞 / 熱中症 / 分化 / 組織モデル |
研究開始時の研究の概要 |
発汗低下による高齢者の熱中症患者数の増加が社会的問題となっている。発汗低下は汗を体外に押し出す役割をもつ汗腺の筋上皮細胞が老化により減少するため起こるとされる。従って、筋上皮細胞の減少の解明が熱中症の抑制に繋がる。そのための試験系として、筋上皮細胞の培養細胞が適している。しかし、筋上皮細胞は生体外でその性質を維持することが困難なため、筋上皮細胞の研究が困難になっている。申請者は筋上皮細胞の減少の解明に向け、生体外で筋上皮細胞の性質を安定して維持できる不死化筋上皮細胞の樹立を目指した。本研究成果は筋上皮細胞の減少の解明の糸口となり、将来的に社会的問題である熱中症の新規治療に貢献できる。
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研究成果の概要 |
本研究は汗腺老化メカニズム解明のために不死化汗腺筋上皮細胞を樹立することを目的している。本研究において、汗腺筋上皮細胞の不死化細胞株の樹立に成功した。当該細胞は通常の汗腺細胞を超える期間の培養が可能であり、試験マテリアルとしての有用性が示された。また、樹立した細胞はプライマリーの筋上皮細胞と同様に分化能を持っていることが示された。この細胞に関わる成果は、論文で発表され、また関連する特許も取得されている。また、細胞販売の企業との協力により、全世界向けての販売に成功している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトのように汗腺を体温調節に利用している生物は馬に見られる程度で哺乳類全体として珍しい機構と言える。そのため、ヒト汗腺の研究のための手法は限られていた。今回、我々の研究で樹立した不死化筋上皮細胞は3次元スフェロイド培養に対応できるため、より実際のヒト汗腺に近い試験モデルとなり得る。不死化筋上皮細胞は、今後の汗腺研究における汗腺機能の理解、また制汗製品の開発に寄与するものと言える。
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