研究課題/領域番号 |
19K20152
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
石塚 典子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (30440283)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 消化管 / NaCl吸収 / NHE3 / オルガノイド / ミニ腸 / Na輸送体 / Cl輸送体 / カップリング |
研究開始時の研究の概要 |
減塩食の重要性は広く認知されているが、食塩摂取量を減らすことは難しい。消化管では、Na輸送体とCl輸送体がカップリングしてNaCl吸収を担っている。Na輸送体は1種類であるが、Cl輸送体は小腸と大腸で異なる。更に、Na輸送体は、栄養素吸収時にはカップリングパートナーを栄養素輸送体に替える。しかし、Na輸送体のカップリングパートナーが異なる理由や、そのカップリング機構に関しては明らかにされていない。このため、マウス腸から摘出した幹細胞を用いてミニ腸を作製し、Na吸収機構を解明することを目的とする。本研究の成果は消化管からのNa吸収を抑制する新たな薬剤等の基礎研究になると期待される。
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研究成果の概要 |
腸のNaCl吸収は、Na輸送体とCl輸送体がカップルして働くと考えられている。Na輸送体は小腸、大腸いずれも同一のNa輸送体であるが、Cl輸送体は小腸と大腸で異なる。マウスの摘出した組織を用い、腸管各部位における、NaCl吸収機序を検討した。小腸、盲腸及び中位大腸では、Na輸送体とCl輸送体がカップルして働いていることが示唆された。また腸の各部位からオルガノイドを作成することを試みた。オルガノイドは腸管各部位の特有の遺伝子が発現している腸上皮細胞に分化していること示唆された。確立した手法を用い、腸管NaCl吸収機構の欠損したマウスの機序解明を試みたが、更なる検討の必要があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消化管におけるNaCl吸収機構の解明は、高血圧や慢性腎臓病の予防・治療を考える上で非常に重要である。近年、腸管からのNaCl吸収を抑制する薬剤の開発は臨床的に大きな関心を寄せられている。腸管NaCl吸収機構と栄養素の相互作用の全容が明らかにできれば、新たなNaCl吸収抑制機構のターゲットが明らかになり、食塩の吸収を更に効率的に妨げる薬剤や食品添加物等の開発に繋がる、特色ある基礎研究になる。本研究では、これら機構を解明することを試みた。
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