研究課題/領域番号 |
19K20154
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
岡田 玄也 県立広島大学, 地域創生学部, 助教 (40778768)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 周術期栄養 / 臨床栄養 / 腸内細菌叢 / 臨床栄養学 / 術後栄養状態 / 術後経口摂取 / 胃癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では胃癌手術患者を対象とし、観察研究として栄養状態の評価に用いられる各種生化学検査項目や身体計測などの項目を調査する。さらに生体内の消化・吸収及び代謝機能を評価するために糞便サンプルを用いた腸内細菌叢解析と便中短鎖脂肪酸解析を行い、胃癌手術による栄養状態や代謝機能の周術期変動を明らかにする。 その後、介入研究として2種類の栄養指導を行い、①術前の体重減少を最小限にすることを目指した栄養付加療法と、②術後の腸内細菌叢の改善を目指した栄養療法を行う。これら介入研究の効果を検証することで、消化管癌手術後の代謝変化を理解するとともに術後の低栄養状態の原因の一端を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、栄養改善の視点から栄養と腸内環境の新たな関係性が明らかにすることを目的に、術前から術後長期にわたる観察研究を実施し、周術期における栄養状態の変化と腸内細菌叢の変動を経時的に評価した。新型コロナウイルス感染症の影響により,被験者登録及び研究プロトコールの遂行に支障が生じたが,門レベルでの評価では、胃切除後手術によって術後6ヶ月目までは腸内細菌叢は変化し続け、手術により健常者の最優勢菌種は胃切除手術による消化管の器械的変化や胃酸分泌能の低下、術後の食事療法による影響等で構成比率が低下し、術前にはわずかにしか存在しなかった菌等がその構成比率を高める可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上部消化管癌の手術患者に生じる術後栄養状態の悪化と腸内細菌叢との関連は十分に明らかになっておらず,腸内細菌叢をターゲットとした栄養療法の開発は新たな治療戦略となる可能性がある。本研究成果を基にさらに症例数を重ねることで属や種レベルでの胃切除手術による腸内細菌叢の変化を解明する可能性がある。今後、代謝変化に関わる新たな菌種の発見することができれば、痩せや肥満といった栄養学上の問題を抱える多くの疾患や一般の健康管理に応用可能であり、オーダーメイド型栄養療法の開発に展開できる。
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