研究課題/領域番号 |
19K20158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
沢田 秀司 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (30814892)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 運動 / 血中マーカー / 高齢者 / 老化 / マイクロRNA / 生体メカニズム / miRNA / 健康寿命 |
研究開始時の研究の概要 |
運動が健康寿命の延伸や老化の進行抑制に効果的であることが示唆されているが、そうした効果が生じるメカニズムは不明であり、また運動を導入するためには客観的な効果判定手法も必要である。こうした問題への解決策として、生体に対する運動の影響や、老化が進行した状態や健康寿命が障害されるリスクの高まった状態を反映する指標の確立がある。本研究では、高齢者の健康寿命が障害されるリスクに対する運動効果の機序の解明を目的とする。本研究を通して、運動の健康寿命延伸に及ぼす影響を検討し、介入効果を評価し得る低侵襲度なバイオマーカーを確立する。最終的に、老化や運動の生体メカニズムの解明に貢献したい。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、運動が老化に及ぼす影響について、特に血中マイクロRNAの関連を明らかにすることを目指している。これまでに、地域在住の日本人中高齢男女を対象として、自体重筋力トレーニングを内容とする運動プログラムを12週間実施し、介入前後で筋量、筋力、身体機能の測定・評価を行った。測定項目の一つとして、生体電気インピーダンス法(BIA法)に基づく体成分分析も実施し、運動の中長期的な成果を反映する指標について、検討を行った。12週間の運動プログラムの成果として、上記の指標に対する成果が現れることが確認された。さらに、血中マイクロRNA解析を進めるための基礎検討として、介入前の血液成分の違いが運動プログラムの効果に及ぼす影響を分析した。得られた成果については、『Low pre-training serum albumin level might restrict the effect of low-load resistance training on muscle thickness』とのタイトルで国際学会にて発表を行い(International Conference on Frailty and Sarcopenia Research 2020)、『Serum albumin levels as a predictive biomarker for low-load resistance training programs’ effects on muscle thickness in the community-dwelling elderly Japanese population: interventional study result』とのタイトルで国際誌にて原著論文を公表した(BMC Geriatr. 2021 Aug 18;21(1):464)。この研究成果は、運動前の血液成分の違いが運動プログラムの効果に影響を及ぼすことを明らかにしたものであり、本研究課題で着目している運動が老化に及ぼす影響を検討する上でも重要な知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年(令和2年)以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応が求められるコロナ禍の状況が続き、対面による運動介入や血液検査の中止を余儀なくされ、追加検討を実施するとの計画は変更せざるを得ない状況であった。そうした中で、運動介入前の血液成分の違いが介入効果に影響を及ぼすことを明らかにし、2021年(令和3年)に国際誌にて論文を発表し、運動が老化に及ぼす影響を検討する上でも重要な知見を得ることができた。2022年(令和4年)以降はBIA法による体成分分析に着目し、運動プログラムの成果を反映する指標として位相角の有用性を検証してきた。そして、位相角の変化と関連する血中マイクロRNAを同定するための網羅的解析について、予備検討を進めることができた。進捗は遅れてしまっているが、引き続き研究を鋭意進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
運動プログラムの成果を反映するBIA法による体成分指標として、位相角に着目することが有用であることについて、検証を進めてきた。また、予備検討として、位相角の変化と関連する血中マイクロRNAプロファイルの分析も行ってきた。今後は、上記の解析結果に基づき、網羅的解析の本検討を進めるとともに、顕著に変動するマイクロRNAの定量解析やパスウェイ解析なども進めていく予定である。
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