研究課題/領域番号 |
19K20165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
中木 直子 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (40804183)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | エストロゲン / グレリン / 高脂肪食 / 肥満 / 卵巣摘出ラット / 閉経モデルラット / インスリン / レプチン / 食欲 / 高脂肪食誘発性肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
体重に関する女性特有の問題として、閉経後肥満や摂食障害による低体重、および月経前症候群による体重増加などがあげられるが、この背景には女性ホルモンであるエストロゲンの関与が考えられる。本研究では、エストロゲンの高脂肪食誘発性肥満抑制作用のメカニズム解明のために摂食亢進ペプチドであるグレリンに着目した。エストロゲンがグレリンのもつ摂食亢進作用のどこに・どのように影響するのかを明らかにする。本研究の実施により、一生涯に渡る女性の体重管理を通じた健康増進に、新たな知見を与えることが期待される。
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研究成果の概要 |
閉経モデルである卵巣摘出ラットへのエストロゲン(E2)補充は、高脂肪食(HFD)飼育下において、胃のグレリンとその受容体を減少させることでグレリンの摂食促進作用を抑制し、HFD誘発性肥満を改善することが示唆された。また、HFDはE2欠乏下でインスリン感受性を低下させる一方、E2補充は骨格筋におけるプロテインキナーゼB(Akt)のサブタイプであるAkt2とその下流にある分子量160kDaのAkt基質(AS160)の経路を活性化することで、インスリン感受性を改善することを明らかにした。一方、若年女性における血漿グレリン濃度は月経周期間での差がみられず、体脂肪率やBMIとの関連もないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
女性ホルモンであるエストロゲンがグレリンの産生やその受容体の発現に影響を与え、エネルギー摂取量(特に脂質摂取量)や体重を変動させるといった報告は国際的にも未だ知見がない中、本研究は、閉経モデルラットに対するエストロゲン補充はエネルギー摂取量の調節を介して肥満を予防することや、そのメカニズムとして胃でのグレリンとその受容体の発現を減少させることで摂食を抑制していることを明らかにした。本研究結果は、閉経後肥満や月経前症候群による体重増加といった女性特有の体重変化等のメカニズムに関する基礎データを提供し、エネルギー調節機構の一端を解明できる可能性を含むものと考えている。
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