研究課題/領域番号 |
19K20174
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
櫻井 俊宏 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (60707602)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HDL / 酸化 / ミトコンドリア / NASH / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 酸化HDL / 肝臓 / 脂肪滴 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は生活習慣や酸化ストレスが関与する疾患であるが、NASH診断用の血液検査が無く、その開発は急務である。一方、高比重リポタンパク質(HDL)の質的研究が近年注目され、酸化HDLは炎症作用や活性酸素種の発生を促すと報告があるが、NASHと酸化HDLの関連は未解明である。申請者の実験で、酸化HDLが肝培養細胞で脂肪滴を形成させ、その脂肪滴は酸化されていることを見い出した。よって酸化HDLがNASH発症に関係し、またNASH診断には酸化HDLの測定が有用であると考えた。本研究では酸化HDLに焦点を当てた新規NASH発症機序の解明からNASH診断法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)と酸化HDLの関連は未解明である。本課題ではヒト培養肝細胞を用いる生化学実験により、酸化HDLがNASHの発症機序にどのように関係するかを検証することを目的とした。その結果、以下を見いだした:(1)酸化HDLが肝培養細胞で脂肪滴を形成させ、その脂肪滴は酸化されていること;(2)脂肪酸合成及び脂肪滴合成が抑制される可能性;(3)ミトコンドリア形態の変化;(4)炎症関連遺伝子の発現促進。以上より、酸化HDLは脂質代謝のみならずミトコンドリア代謝の変化をもたらす可能性があることが示唆された。今後も酸化HDL刺激に対する肝細胞の応答についての全容解明に繋げたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト肝培養細胞を用いた研究で、酸化HDL刺激では脂肪滴の形成や炎症、酸化ストレスを促進することだけでなく、ミトコンドリア生合成に関連する遺伝子群の低下が見られ、ミトコンドリアの形態変化の一端を明らかにすることができた。これらの結果は本研究で得た重要な知見であり、今後の酸化HDL研究の進展を加速させるものと考えられた。今後もこの研究領域を深め、非アルコール性脂肪性肝障害や非アルコール性脂肪性肝炎などの生活習慣病などの病態との関連性を追求していきたいと考えている。
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