研究課題
若手研究
次世代シークエンサーは世界中で膨大な量の塩基情報を生み出しており、医療のみならずヘルスケアへの応用が期待される。この第一歩は、次世代シークエンサーから得られた塩基情報と、人種や地域、生活習慣など様々な環境下で得られる表現型を組み合わせる解析である。こうした遺伝統計学的な解析によって得られた知見をさらに、生活習慣病の個別化医療や予防医療に役立てるためには、真に機能を有する「疾患関連変異」の機能解析を分子生物学的な実験によって進める必要がある。本研究の目的は、エンハンサーやプロモーターといった遺伝子制御部位に位置する変異が、血中HDLレベルを規定するメカニズムを実験的に解明することである。
まず、2つの異なるルシフェラーゼレポーターベクターの一方にプロモーター領域の参照配列を、もう一方に同じ領域でSNVを1つだけもつ配列を挿入し、これらをヒト細胞株にコトランスフェクションしてルシフェラーゼ活性の比率を評価した。次に、スクリーニングで選び出されたSNVのcis-elementに作用するtrans因子を探索するために、転写因子だけをゲノムワイドに網羅した発現ライブラリーTranscription Factor Expression Library(TFEL)を独自に構築し、発現クローニングを行った(TFEL scan法)。
血中HDLレベルを規定するcausal SNVの探索を目的に、TFEL scan法を用いてApoA1のプロモーター領域のSNVを解析した。同定された転写因子をヒト細胞株で過剰発現したところ、内因性のApoA1遺伝子の発現が増加した。ApoA1のプロモーター領域にあり、転写活性に影響を与えるSNVと、この部位に結合してApoA1遺伝子の発現を制御する転写因子を同定した。また、同定されたSNVがもたらす肝細胞での効果を検討するために、CRISPR/Cas9による相同組換え修復を利用してSNVを導入する実験系の構築を進めた。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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