研究課題/領域番号 |
19K20179
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
吉永 絢 (桐明絢) 福島大学, 食農学類, 客員准教授 (20794845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 安定同位体ラベル化脂肪酸 / 過酸化脂質 / リノール酸 / リノール酸過酸化物 / 呼気 / 体内動態 / 同位体比質量分析計 / 体燃焼性 / 安定同位体ラベル / 脂肪酸過酸化物 / 多価不飽和脂肪酸 / 光酸化 / 安定同位体 / ラベル化 / 合成 / 多価不飽和脂肪酸過酸化物 / 可視化 / 安定同位体ラベル化物過酸化物 / PUFA過酸化物体内代謝 / イメージング質量分析計 / PUFA体燃焼性 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質の酸化はアルデヒドやケトンなどの毒性物質を生成するため、食品中脂質の酸化を抑制することは重要である。ところが、これら毒性物質を発生する前駆体である多価不飽和脂肪酸過酸化物(以降、PUFA過酸化物)の生体内における動態に関して精査されていない。そこで本研究では、安定同位体ラベル化PUFAを合成し、その過酸化物を動物に投与し、各種質量分析計を用いて各臓器・組織を定量的・定性的に測定し、呼気によって体燃焼性を精査する。これにより、①PUFA過酸化物の体内分布、②PUFA過酸化物の体内における元のPUFAへの変換と体内分布、③PUFA過酸化物の体内代謝、の3点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は酸化され易く、PUFA過酸化物となり、食中毒原因となる二次酸化物を生成する。しかし、PUFA過酸化物自体を摂取した際の人体への影響は不明なため、PUFAのうち、リノール酸過酸化物の体内動態視覚化を目指し、まずは体燃焼性を調べた。合成した安定同位体ラベル化リノール酸エチルエステル(*LAEE)を光酸化し、*LAEE過酸化物(*LAEE-OOH)を合成した。これを、マウスに投与、呼気を回収し、*LAEE-OOHと*LAEEの体燃焼性を比較した。その結果、*LAEE-OOH は*LAEEより体燃焼性が高く、*LAEE-OOHが胃で分解されてβ酸化されると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果により、リノール酸過酸化物の体内動態の一部を明らかにすることができ、リノール酸過酸化物は、胃で分解をされた後にβ酸化されること、未酸化物より体内に蓄積されにくいことが示唆された。本研究のように、PUFA過酸化物の体内動態を解明する一連の研究が推進されれば、どの過酸化脂質がヒトの健康に悪影響を及ぼすのかを解明する糸口となる。さらに、悪影響を及ぼす過酸化物を除去した食品や体に良い脂質の開発にも応用可能であり、学術的な波及効果だけでなく、社会的な波及効果も極めて高いと考える。
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