研究課題/領域番号 |
19K20181
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
武田 尚子 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (20737655)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サルコペニア / 慢性腎臓病 / 食事療法 / 運動療法 / 高齢者 / 保存期CKD |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や疾患に伴い、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態をサルコペニアといいますが、近年サルコペニアと慢性腎臓病(CKD)を合併した患者さんが増加しています。サルコペニアとCKDの合併は、生命予後が悪く、改善のための治療が必要です。サルコペニアの治療には十分な運動療法とたんぱく質摂取が推奨されますが、CKD治療にはたんぱく質制限食が指導され、両方の病態を合併する患者さんではどちらの食事療法を優先すべきか明らかではありません。本研究では、サルコペニアを合併した高齢の保存期CKD患者さんにおいて、運動療法指導下でのたんぱく質摂取量の違いが、腎臓病とサルコペニアに与える影響を検討します。
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研究実績の概要 |
本研究は、サルコペニアを合併した高齢CKD患者に対して、運動療法を併用した状態で、たんぱく質摂取量の違いが、筋肉量を含めた体組成と腎機能・蛋白尿にどのような影響を及ぼすかを探索する目的で実施している。サルコペニアにおける標準的治療であるたんぱく質摂取1.0g/kgIBW/日の通常たんぱく食群、CKDステージ3、4における標準的治療である0.7g/kgIBW/日の低たんぱく食群の2群をランダム化比較試験で評価する。Primary endpointは食事介入12週後における体組成および腎機能の変化、secondary endpointsは①食事介入12週後における尿蛋白量の変化、②食事介入12週後の栄養指標、身体機能、たんぱく質摂取量の変化、③介入前後の動物性/植物性たんぱく摂取量比の変化、④食事介入終了後12週の追跡期間後の体組成変化、腎機能・蛋白尿の変化、たんぱく質摂取量の変化、とする。対象は、当院外来通院中の65歳以上、eGFR 15~59 ml/min/1.73m2の保存期腎不全患者で、かつアジアサルコペニアワーキンググループ(AWGS)サルコペニア診断基準2019の診断基準を満たすサルコペニアの合併がある患者とする。運動療法としては全員に当院の理学療法士によりレジスタンス運動を指導し実施していただく。たんぱく質摂取量は、当院の管理栄養士によりたんぱく質摂取量が1.0g/kgIBW/日になるように栄養指導を行い、通常たんぱく食群と低たんぱく食群の2群に割り付けたのち、通常たんぱく食群は通常米飯を、低たんぱく食群は低たんぱく米飯を必要エネルギー量の50%相当分配布し、十分なエネルギーを確保しながらたんぱく質摂取量をコントロールできるようにする。現在2症例が進行中であり、さらに症例数を増やしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度もコロナウイルス感染拡大の影響があり、高齢でCKDを合併しているというコロナウイルス感染に伴い重症化しやすいリスクのある外来患者を対象とし、管理栄養士や理学療法士など多職種が関与する臨床研究を実施することは困難な状況であったため、なかなか新規臨床研究を開始することができなかった。現在はコロナウイルス感染が落ち着いたため、ようやく開始できている。開始が大幅に遅延したため、研究期間はさらに1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り患者をエントリーし、本年度中に症例登録、介入を行っていく。介入の際には患者のコロナウイルス感染予防のための処置を十分にとっていく。現在は2症例に進行中であり、1年間で20例の症例を集め、データを集計する予定である。
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