研究課題/領域番号 |
19K20201
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
矢野 めぐむ 武庫川女子大学, 栄養科学研究所, 嘱託研究員 (70411973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 肺がん / 免疫チェックポイント / 栄養調査 / 免疫治療 / 免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤は、現在行われている肺がん治療の外科治療、薬物治療、放射線治療に続く、第4の治療方法として注目されており、治療方法の狭まる重篤な患者において使用が可能であり、治療選択の幅が広がる。また治療効果の高い治療方法として期待がもたれている。しかし、治療効果については奏功例の効果は高いが、無効例の割合は未だ高く、その原因解明までには至っておらず、治療効果を阻害する要因の解明は緊急の課題である。そこで、本研究では腸内細菌に着目し、治療開始前・治療中の腸内細菌が治療開始前の食生活や治療効果とどのように関連しているか明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
肺がんへ適応が承認された免疫チェックポイント阻害剤は、治療方法の狭まる重篤な患者において使用が可能で有る。また従来の治療方法と併せ使用すると、治療成績が改善することが報告されており、標準治療に使用されるようになってきた。しかし、治療効果については、奏功例での効果は高いが、無効例の割合は未だ高く、治療効果と関連する要因の特定は重要であると考えられる。 本研究では、患者の腸内細菌多様性を調査した結果、免疫チェックポイント阻害剤治療の奏功群は、治療開始前の腸内細菌多様性が治療中も維持されることが明らかとなった。また治療開始前の食事調査から、奏功群ではたんぱく質摂取頻度と関連のある細菌種が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、肺がん患者における免疫チェックポイント治療の効果が得られる奏功例の割合を増やすため、治療効果に関連する要因の特定を目的とし、治療開始前、治療中の腸内細菌、および治療開始前の食事に着目をした。結果、免疫チェックポイント治療開始前の腸内細菌多様性が、奏功群では無奏功群に比し、有意に高い多様性を示した。 また、治療中の多様性が、非奏功群では低下したが奏功群は維持されることが明らかとなった。栄養調査では、奏功群は無効群と比べたんぱく質摂取頻度が高く、特異的菌種が確認された。このことから、治療開始前の腸内細菌の多様性を高く維持することは治療効果の奏功例を高める1つの要因であることが示唆された。
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