研究課題/領域番号 |
19K20214
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 中央大学 (2019-2020, 2022) 東京工業大学 (2021) |
研究代表者 |
白髪 丈晴 中央大学, 理工学部, 准教授 (50803996)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 分散投票モデル / マルコフ連鎖 / ランダムウォーク / 合流時間 / distributed voting / random graph / Markov chain / 合意問題 / 非線形力学系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では2-choices dynamicsと呼ばれるグラフ上のシンプルな確率的モデルの収束時間解析を行う. このモデルは従来モデルの単純な拡張にも関わらず, 特定のグラフ構造上において高速に単一意見への収束がおこるという, 合意問題や多数決, 誤り訂正といった基本的な分散計算に好ましい性質を持つことが示されている一方でその解析は困難であり, 一般のグラフ構造上で分かっていることは少ない. 本研究では一般のグラフ構造上における2-choices dynamicsの威力を明らかにすべく, その収束時間解析を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では2-choices dynamicsと呼ばれるのシンプルな確率的モデルの解析を行う. このモデルは従来モデルの単純な拡張にも関わらず特定のグラフ構造上において高速に単一意見への収束がおこるという, 基本的な分散計算に好ましい性質を持つ一方, 一般のグラフ構造上で分かっていることは少なかった. 本研究ではコミュニティ構造を表現するグラフ(stochastic block model)上では収束時間に相転移が存在し, 収束に指数時間要する例を示した. 更に, 高速な収束の為の意見更新規則に求められる特徴を多数決の観点から特徴付けし, エクスパンダーグラフ上における対数合意時間を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単純, 局所的なルールに基づくシステムはその理解, 利用のし易さに留まらず, 管理・保全を含めた多くの柔軟性を包含する. 単純性というある意味で“制限された”環境下におけるシステムがどの程度の計算能力を持つかという問いは, 理論的にも所望の問題に対して必要な資源を明確にするという意味で需要が大きい. 本研究で明らかになった2-CHOICESを含めた局所的な更新規則とその威力は既存研究を大きく一般化するものであり, 得られた解析技法は研究対象となったルールに留まらず, ランダムウォークを始めとした他の有用な確率モデルへも適用されつつあり, その意義は大きいと言える.
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