研究課題/領域番号 |
19K20231
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
PHAM THONG 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (30803530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 優先的選択 / ランダムネットワーク理論 / 複雑ネットワーク / 選択バイアス / ネットワーク分析 / ハイパーグラフ / ボース=アインシュタイン凝縮 / 動的ネットワーク / 優先的選択関数 / 適応度 / 推移性 / stochastic actor-based / ERGM / complex networks / preferential attachment / transitivity |
研究開始時の研究の概要 |
ユーチューブフォロワーや論文共著等のネットワークの動的特徴を分析するのによく使われているのは,確率アクター・ベース・モデルという動的ネットワークモデルである.このモデルを適用するために,ネットワークの成長過程といった動的情報が必要とされるが,実際ではこの情報を観測できない場合が多い.その場合、動的特徴を止むを得ず無視し,ネットワークを何らかの静的モデルで分析するのが現状である.本研究は,動的情報なしのネットワークに対して,動的特徴を表す成長機構を推定できる方法論を構築し,動的ネットワークモデルと静的ネットワークモデルを繋ぎ合わせることでネットワーク分析における新しいパラダイムの確立を目指す.
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研究成果の概要 |
ユーチューブフォロワーや論文共著等のネットワークの特徴を分析するのによく使われているのは,確率ランダムネットワークモデルである.本研究は、確率ランダムネットワークモデルの推定方法とモデリング方法に貢献した。一つ目の貢献では、ネットワークの成長過程といった動的情報を観測できない時に優先的選択を推定できる方法を提案した。二つ目の貢献では、優先的選択と推移性を同時にモデリングするネットワーク成長モデル・そのモデルの推定方法を提案した。三つ目の貢献では、エッジの間の非独立性を許すハイパーグラフ成長モデルを提案し、そのモデルにおける推定を可能とした尤度の高速化計算方法も考案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
提案した諸手法・モデルによって、実世界におけるネットワークの性質に関する新たな知見を発見することが期待できる。まず、動的情報を観測できない時の優先的選択の推定方法によって成長履歴のないデータセットが初めて分析できるようになり、優先的選択に関する新たな発見に繋がることを期待できる。次に、優先的選択と推移性を融合した提案モデルを用いて、クラスタリング係数の高いネットワークの成長過程を分析でき、ネットワークの表現学習への貢献も期待できる。最後に、ハイパーグラフ成長モデルによって、今まで無視されてきたエッジの間の非独立性がモデル化され、エッジの間の複雑なパターンを発見できる可能性がある。
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