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非同期回路に基づく高信頼・低消費電力な次世代型身体ネットワーク用ICチップの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K20238
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分60040:計算機システム関連
研究機関岡山理科大学 (2021-2022)
川崎医療福祉大学 (2019-2020)

研究代表者

近藤 真史  岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90590133)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード直列演算器 / 非同期式回路 / 乗算器 / メタステーブル / ビットシリアル / ボディエリアネットワーク / メタステーブル動作 / デジタル信号処理
研究開始時の研究の概要

現在,生体内に配置した電子機器を用いて無線ネットワークを構築するボディエリアネットワーク(BAN)が注目されており,これに利用されるICチップには特に低消費電力性と高信頼性が要求される.本研究では,クロックを用いない非同期回路に基づいた制御手法を導入し,更なる低消費電力化と高信頼性を備えたBAN専用ICの開発を目指す.まず,非同期回路と直列演算器を併用し,演算回路の消費電力を大幅に削減する.次に,非同期回路特有のメタステーブル動作を利用して生体信号からそれ固有の暗号鍵を生成し,信頼性に優れた無線通信を実現する.そして,以上に基づいたICチップを実装し,性能解析を通じてその有効性を明らかにする.

研究成果の概要

本研究は,デジタル補聴器等に代表される生体信号処理プロセッサ(DSP)の低消費電力化および小面積化を目的として,これに内蔵される演算器の新たな構成法を提案している.
まず,単一の全加算器を用いて逐次的に演算を行う直列乗算器を対象に,クロックパルスを用いない非同期式回路に基づく制御手法を導入することにより,消費電力を約32%,回路面積を約90%削減することに成功している.次に,生体信号処理において下位ビットの演算結果が冗長な点に着目し,特に最大積から乗数を逐次減算することにより上位ビットから演算結果を確定可能な手法を提案・設計した結果,十分な精度を維持しつつも,消費電力を約75%削減している.

研究成果の学術的意義や社会的意義

提案の乗算器では,単に非同期的な制御手法を導入するだけでなく,更に一対の加算器を相補的に制御することで従来の非同期回路では不可避であった休止相を隠蔽する手法を提案しており,これは非同期回路の新たな設計手法を切り開くものである.これに続くトランケート乗算器の直列化については,これまでに類似の報告はなされておらず,さらにこれを減算で効率的に実現する手法は極めて高い独創性を備えている.
これらの直列乗算器については種々の性能評価を通じてその有効性が確認されており,この種の生体用信号処理プロセッサを内蔵する医療機器への応用,さらにはそれらの機器を必要とする患者の"生活の質"の改善効果を期待できる.

報告書

(5件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] 直列桁上げ保存加算器のパラメタライズ設計に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      岡本一晟
    • 雑誌名

      岡山理科大学 工学部 情報工学科 卒業研究論文

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] メタステーブル動作を考慮したツリーアービタの性能評価2022

    • 著者名/発表者名
      岩本 拓己
    • 雑誌名

      岡山理科大学 工学部 情報工学科 卒業研究論文

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] 相補制御に基づく休止相を隠蔽可能な非同期式直列乗算器の一構成法2021

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 茅野功, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 雑誌名

      電子情報通信学会和文論文誌A

      巻: 104

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ビットシリアル積和演算器に対する直列桁上げ保存加算器の一構成法2021

    • 著者名/発表者名
      千田奈侑,近藤真史,浜田篤,横川智教,佐藤洋一郎
    • 学会等名
      第72回電気・情報関連学会中国支部連合大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 動的なパルス生成機構に基づいたトランケート型直列乗算器の一構成法2020

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 茅野功, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      第71回電気・情報関連学会中国支部連合大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] メタステーブル動作に基づいて承認信号を動的に譲渡する非同期式ツリーアービタの一構成法2020

    • 著者名/発表者名
      辻明里, 近藤真史, 永田将大, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      第71回電気・情報関連学会中国支部連合大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 冗長な零乗算を省略可能な非同期式直列乗算器の一構成法2020

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 池田大地, 茅野功, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      第19回情報科学技術フォーラム(FIT2020)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 最大積からの逐次減法に基づく直列乗算器とその負数演算手法2020

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 池田大地, 茅野功, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告(CAS)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 逐次減算に基づく直列乗算器を用いたFIRフィルタの設計と実装2020

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 伊丹聖貴, 池田大地, 茅野功, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      2020年電子情報通信学会総合大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] デジタル補聴器用DSPを対象とした休止相の隠蔽による非同期式直列乗算器の高速化2019

    • 著者名/発表者名
      永田将大, 近藤真史, 茅野功, 横川智教, 有本和民, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      電子情報通信学会技術研究報告(CAS)
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 最大積からの逐次減法に基づく直列乗算器の基礎検討2019

    • 著者名/発表者名
      恵谷大陸, 近藤真史, 岡本大地, 茅野功, 永田将大, 横川智教, 佐藤洋一郎
    • 学会等名
      第70回電気・情報関連学会中国支部連合大会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 非同期式回路に基づく医用デジタル機器の超低消費電力化2019

    • 著者名/発表者名
      近藤真史, 茅野功, 佐藤洋一郎, 横川智教
    • 学会等名
      第24回岡山リサーチパーク研究・展示発表会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2024-01-30  

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