研究課題/領域番号 |
19K20281
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60090:高性能計算関連
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研究機関 | 関西国際大学 (2021-2022) 中央大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
南畑 淳史 関西国際大学, 社会学部, 講師 (70754787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 数値線形代数 / 前処理行列 / 悪条件行列 / 連立一次方程式 / 精度保証付き数値計算 / 行列近似 / 最小二乗問題 / 悪条件問題 / QR分解 / 悪条件 / 最小二乗法 / 疎行列 / 条件数 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,GPUと呼ばれる安価で高速なプロセッサが身近に使用できる環境が整いつつある.特にGPUは単精度浮動小数点数演算および半精度浮動小数点数演算が非常に高速であり,これらの演算を使用した数値計算技術の発展が予想される.しかし,単精度浮動小数点数を用いる場合,条件数が10の7乗を超える行列は悪条件となり,半精度浮動小数点では10の3乗を超える行列は悪条件となる.本研究課題では,悪条件の連立一次方程式に対して,前処理行列の条件数を下げる効果について理論的に解析する方法を開発する.特に前処理行列がどのような条件を満たしていれば条件数を下げる効果を持つのかに焦点を当てて研究を行う.
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研究成果の概要 |
本研究期間では、悪条件の最小二乗問題の前処理行列を提案した。提案した前処理行列は最小二乗問題の正規方程式の係数行列のQR分解を用いた前処理行列である。この前処理行列は、丸め誤差がなければ機能はしない。しかし、悪条件の際は丸め誤差により前処理行列となることを数値的に示した。 関連する研究として、疎な連立一次方程式の精度保証付き数値計算を開発した。その講演に対して、日本応用数理学会 2019年度若手優秀講演賞を受賞した。また、疎な最小二乗問題の精度保証付き数値計算法の提案を行った。この発表に対して、JSST 2019 Outstanding Presentation Awardを受賞した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
疎な連立一次方程式の精度保証付き数値計算は精度保証付き数値計算における重要な課題として認識されている、LU分解を用いた疎な連立一次方程式の精度保証付き数値計算は多くの問題に適用ができる可能性があり、精度保証付き数値計算の実応用に貢献したと考えられる。また、前処理行列に関しては丸め誤差を行列近似として捉えることにより、新しい前処理行列を構成できることを示した。ただし、行列が悪条件であることが必要となる。そのため、すべての問題に適用できるわけではないので、社会的な意義は大きくない。しかし、悪条件を考える際に新しい方向性を示した、という意味では学術的な価値があると考えられる。
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