研究課題/領域番号 |
19K20291
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
斉藤 篤 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10781445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 時空間統計モデル / 深層学習 / 生成モデル / 解剖学 / 計算機支援診断 / 医用画像 |
研究開始時の研究の概要 |
人工知能を用いた医用画像の支援診断においては、人体の統計モデル、すなわち個体間での臓器形状などの「空間的」ばらつきを説明する数理モデルが不可欠である。しかしながら、実際には人体の解剖は「時間的」にも変化する。各個体の時間変化を説明可能な「時空間統計モデル」の構築法は、これまで十分に研究されていない。医用画像においては、同一個体に対して繰り返し撮影された「縦断的データ」に基づく解析は、データ収集の観点から困難である。そこで本研究では、深層学習をはじめとする機械学習技術に基づき、症例間の対応のない大量の「横断的データ」の蓄積から、個人の解剖構造の時間変化を予測可能な時空間統計モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
医用画像を対象とした多くのコンピュータ支援診断技術において「人体の統計モデル」,すなわち個体間での臓器形状やテクスチャの「空間的」ばらつきを説明する数理モデルが不可欠である.しかしながら,ヒト胚子や小児など,発生や成長を伴う対象を扱う場合,それらの時間的変化が無視できない.本研究では,特定の時点での「空間的」変動だけでなく,各個体が「時間的」にどのように変化するかを説明可能な「時空間統計モデル」の構築法の開発および診断支援への応用を目的とする.成果の概要は以下のとおりである。 ①時空間統計モデル構築手法の開発(2019年度):3次元の肝臓形状とCT画像における肺野テクスチャそれぞれに対して,深層学習に基づいた生成モデルを提案し,従来の生成モデルよりも優れていることを明らかにした.また,ランドマークの発生に対応可能な,ヒト胚子の点群に対する時空間統計モデル構築法を提案した. ②時空間統計モデルの応用(2020年度):時空間統計モデルの画像セグメンテーションへの応用に取り組んだ.具体的には,臓器セグメンテーション用のニューラルネットワークの学習において,時空間統計形状モデル(日齢を条件とする条件付き統計形状モデル)を用いた正則化手法を提案し,その有用性を実証した.その他,時空間統計解析技術を応用し,ヒトの胎児期の顔面骨格に対する3次元形態解析にも貢献した. ③評価用データセットの構築(2019~2020年度):国際小児病院(米国)の協力のもとで,高解像度かつ縦断的に撮影された小児の時系列MR画像を収集し,肝臓領域の正解ラベルを作成した.時刻間での非線形画像位置合わせを用いた半自動セグメンテーションによる作業の効率化を図り,全被検者に対する肝臓の正解ラベルの作成を完了した.これにより,時空間統計モデルの「経時変化の予測モデル」としての性能を定量的に評価する準備が整った.
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