研究課題/領域番号 |
19K20302
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ハイブリッド画像 / Psychophysics / 知覚の実験 / 主観評価 / 人間認知 / 画像処理 / ビデオ処理 / 錯覚 / 錯視 / 空間周波数フィルタ / バンドパスフィルタ / 感情推定 / デジタルアーツ / 人間視覚感度関数 / デジタルフィルタリング / 空間周波数 / コントラスト感度関数 / 錯覚検証 / リンキングノイズ / 周波数ノイズ / 計算錯覚 / 周波数感度 |
研究開始時の研究の概要 |
ハイブリッド画像は,重ね合わせた2枚の画像において距離により見え方が異なる画像である.本研究は、従来のハイブリッド画像の生成方法に加えて,距離のみならず任意の角度においても必要な情報のみを表示可能とする新規のハイブリッド画像の作成が実現する研究である.空間周波数フィルタリングに異方向ノイズを付加する手法の開発,コントラスト感度調節等の各種画像処理方法アルゴリズムの最適化により実施する.本研究の成果は,簡便な方法で必要な距離および角度において異なる情報を提示できる新たなディスプレイ方法に発展する可能性を秘めている.
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研究実績の概要 |
ハイブリッド画像は、2枚の画像を低周波数成分と高周波数成分に分解し、再合成することで生成される。このハイブリッド画像は、近くで見ると高周波数成分が目立ち、遠くで見ると低周波数成分が認識されるという錯視効果がある。従来のハイブリッド画像の生成手法では異なる形状の画像を合成すると問題が生じるため、研究代表者は周波数分解時のリンキングノイズを導入する方法を提案しました。これにより、ハイブリッド画像の認識効果が向上し、視覚的な錯覚が生じやすくなりました。 本研究の目的は、様々なフィルタリング手法を検討し,新ハイブリッド画像を生成する、また、様々な認知仕方によって違うものが観察できる、ハイブリッド画像のような錯覚を検証するための実験方法を提案することである。 2022年度は、ハイブリッド画像生成手法によって動画合成をし、検証実験を行った。予備実験の検証実験結果をInteraction2023と国際会議のHCII2023に採択。実験から、動画像でも静止画像と同様のハイブリッド画像の性質が保たれることがわかった.またOliva (2006) 手法やSripian (2017) の手法の特性も基本的には保たれていることがわかった.同時に,ハイブリッド画像の生成手法を適用した合成動画では,それぞれの元動画(高周波成分動画と低周波成分動画)によって,視認できる距離に影響が出ることがわかった.既存研究では静止画像の合成のみが行われており,今のところ動画像に適用した例は未だないようである.そのため本研究により,かなり初歩的ではあるものの,ハイブリッド画像合成手法の動画像への応用に関して,一定の知見を得られたと考えられる.今後は予備実験で得られた結果に基づいて,本格的なユーザ・スタディを設計・実践し統計的な有意さを検定する予定である.また、錯覚の効果に変化があるかを今後認知実験で検証する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
去年の研究成果は国際会議に採択されて、現在追加実験を行う予定。7月までにJournal trackの国際会議に出す予定ですので、おおむね純情に進展していると考えられる
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今後の研究の推進方策 |
今後のハイブリッド映像の実験研究の計画では、より多くの、より多様なユーザーグループとテストを実施する予定です。その目的は、さまざまなハイブリッドビデオを見せ、ビデオの特定の構成要素(高周波、低周波、両方、またはなし)を検出する能力と、これらの構成要素を知覚できる視聴距離に関する反応を収集することである。さらに、参加者の反応時間を記録する。
本実験の目的は、ハイブリッド映像法を用いて映像を組み合わせる際の最適なパラメータを決定するための知見を得ることである。ユーザーが映像の周波数成分をどのように知覚し、区別しているかを理解することで、ハイブリッド映像合成手法の効果を高めることができます。この研究は、魅力的で視覚的に説得力のある映像コンテンツを作成するための貴重な情報を提供することで、ニューメディアの分野に大きく貢献する可能性があります。
最後に、研究成果を著名な国際学会やインパクトファクターの高い学術誌に投稿することを計画する。研究内容が明確で簡潔、かつ説得力のある方法で発表され、結果の新規性と重要性が強調されていることを確認する。最後に科研費の研究報告書をまとめる予定。
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