研究課題/領域番号 |
19K20342
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 統計的学習理論 / 機械学習 / 確率的最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
産学官の各界で空前の「AIブーム」が進むなか、未来の情報社会を支える基盤技術として機械学習を確立させるためには、他の工学分野と同様、確固たる性能や安全性の保証が求められる。本研究では,従来の学習アルゴリズムを不安定にさせる(A)ラベルノイズと(B)標本の不均一性、さらには(C)ラベルの種類が膨大であるという3点に着目する。識別能力の指標である識別マージンを新しい視点から捉え直して、その確率分布自体を制御対象とし、新しい学習アルゴリズムの開発および理論的な性能解析を行う。
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研究成果の概要 |
世間一般では「AI」と称される機械学習技術は、多種多様のデータと人間の英知による課題設計に基づく数値的な「フィードバック」(報酬、損失など)に駆動される。本研究では、これまでの機械学習ではパフォーマンスが頭打ちしている困難な学習課題の打開策として、学習アルゴリズムを動かすフィードバックを根本から見直し、広義のフィードバックの確率分布そのものをフィードバック生成の基軸として手法設計に挑戦してきた。分類課題に特化したマージン分布から出発し、最終的には多様な損失分布の位置やばらつきを捉えた指標の下での安定的な学習則にたどり着き、学習アルゴリズム設計の新たな一歩に貢献したと認識している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
機械学習技術が採用活動や最先端医療の現場に積極的に導入されている昨今の社会情勢を踏まえて、工学的な性能の維持と明確な保証はもちろん、その技術の利用に際しての意思決定の合理化、透明化、効率化などが喫緊の課題である。本研究の成果の多くは強い性能保証を付与した汎用的な学習アルゴリズムの開発や解析に相当するが、これらの結果以上に重要なのは、本研究の切り口を通して「AIの性能をどう捉えるべきかは議論・体系化すべきだ」と示した点である。この土台を踏まえて、信頼性の高い機械学習技術の確立に向けて、汎化能力の数値化方法、ユーザーの要望、学習則設計の三者をめぐるAIワークフローの改革を引き続き追求していく。
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