研究課題/領域番号 |
19K20357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
秦 重史 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (70735927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | パターン形成 / 複雑ネットワーク / 局在構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ネットワーク上において局在構造が形成されるメカニズムの解明を目的とする.ネットワーク上における反応因子の拡散的輸送は,系の不安定化を導き,さまざまな時空間構造を形成し得ることが知られている.さて,実世界において広く見られる構造の一つに,物質が系の一部分に局在する局在構造が見られる.しかしながら,これまでにネットワーク上において局在構造を形成する数理モデルは提案されていない.そこで本研究では,ネットワーク上に局在構造を形成する反応拡散モデルを構築し,モデルの解析,および数値実験を通して,ネットワーク上において物質の局在化が起こる原理を明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究ではネットワーク状の媒質において反応物質が拡散する場合に,物質が媒質の一部分に局在する現象を扱い,局在構造の形成原理の解明を試みた.主に理論解析と数値実験を通して解析を行なった.得られた主な成果は次の通りである. (1)物質の濃度が一様な(つまり局在構造が存在しない)状態において,一定の条件が満たされると一様状態が不安定になり,自発的に局在構造が形成されることを見出し,この条件を解析的に導出した.(2)一定の条件が満たされると形成された局在構造が媒質上を伝播することを数値実験により見出し,その統計的な性質を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
局在構造を形成する反応拡散モデルはこれまで主に連続媒質上で解析が行われ,局在構造の形成メカニズムの理解が進められてきた.一方,複雑ネットワーク上に局在構造を形成するモデルはこれまでに提案されておらず,ネットワーク上で物質の局在化が起こるメカニズムは明らかになっていない.本研究では従来とは異なる機構によりネットワーク上で局在化が起こり得ることを示した.これは基礎的な結果であるが,我々の身の回りで起こる物質の局在化現象を理解する上で重要な知見である.
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