研究課題/領域番号 |
19K20360
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 一橋大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
奥村 圭司 東京工業大学, データサイエンス・AI全学教育機構, 特任准教授 (60710530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | リズム / カオス / 同期現象 / ノイズ |
研究開始時の研究の概要 |
蛍の発光リズムは集団だとそろい,我々の概日リズムは太陽光とそろう。リズムが自然にそろう現象は同期現象とよばれ,生物・非生物を問わず,さまざまな時空間スケールで観測される。カオス的なリズムの電子回路やニューロンがそろうこともあり,それらはカオス同期とよばれる。生物を含む自然・社会現象や工学デバイスは,現実にはさまざまなノイズにさらされている。このため,これらの同期現象も例外なくノイズの影響を受けると考えられる。 本課題は,リズムの数理モデルの一つである結合振動子系において,可解な確率モデルを構築することで,独立なノイズの作用によりカオス同期が引き起こされることを初めて示す。
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研究成果の概要 |
平均場結合系に独立なノイズが作用する可解な確率モデルを提案し,理論的解析および数値計算による研究を行った。結果,結合振動子系において,確かに独立なノイズがカオス同期を引き起こす場合があることを明らかにした。ノイズ誘起カオス同期全体にわたる体系的な理解へとつなげるため,同期状態の定義を再考する取り組みとして,Ott-Antonsen仮説を拡張する研究も行い,より広い力学系を記述する理論を考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カオス同期は,カオス的なリズムが不規則ながらも一致する現象のことである。カオス同期は,電子回路やニューロンなどで実現されており,情報処理や通信などの応用が期待されている。理論的には,非結合振動子系では共通ノイズによりカオス同期が誘起されることがわかっている。しかし,結合振動子系では,ノイズがカオス同期の度合いを「促進」することはあっても,「ノイズ誘起」カオス同期の報告はなかった。そのため,結合振動子系においてノイズ誘起カオス同期は存在するのかという疑問が残されていた。本課題により,この点が明らかとなり,カオス同期に関する体系的理解への足掛かりを得ることができた。
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