研究課題/領域番号 |
19K20364
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61040:ソフトコンピューティング関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2020-2022) 国立情報学研究所 (2019) |
研究代表者 |
村田 真悟 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (80778168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 予測符号化 / 予測誤差最小化 / 認知ロボティクス / ニューラルネットワーク / インタラクション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は他者との協調を支える認知情報処理機構の理解を目的とし,構成論的手法により取り組む.特に,(i)環境変化や他者のふるまいといった外的要因と(ii)自己の将来の行動に関する計画や意図といった内的要因により生じる協調の形成とその崩壊に関する動的過程に着目する.具体的には,脳の情報処理の仕組みとして提案されている予測符号化を再帰型神経回路モデルにより具現化し,二台のロボットそれぞれに実装する.そして,実環境における二台のロボット間の相互作用学習実験を行う.他者(ロボット)との相互作用の結果生じる互いの意図の動的な収斂と発散により,協調の形成・崩壊に関する動的過程が観察可能であると期待される.
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研究成果の概要 |
本研究課題は,人間の他者との協調を支える認知情報処理機構の理解を目的とし,認知神経科学・機械学習・ロボティクスの観点を統合したロボット構成論的手法により取り組むものである.特に,他者や環境といった外的要因と自己の意図やゴールといった内的要因によって生じる協調の形成とその崩壊に関する動的過程に注目し,予測符号化に基づく計算モデルの構築とロボット実験を実施した.具体的には,勾配法に基づく最適化手法及びその高速化を実現するための償却推論法を提案した.それらを備えた深層生成モデルを構成論的に検証すると同時に協働ロボットにも応用することで,基礎・応用の両側面に関して評価を行なった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,他者や環境といった外的要因と自己の意図やゴールといった内的要因によって生じる協調の形成とその崩壊が,予測符号化という単一の仕組みによって説明可能であることを示した.具体的には,過去に生じた予測誤差を最小化することで外的要因を知覚し,未来に生じると想定される予測誤差を最小化することで内的要因を満たす行動生成が可能であることが確認された.本研究で得られた成果は他者との協調のみならず,共同注意や心の理論といった社会性認知に関する問題への貢献も期待される.また,ロボットを含む機械による他者(人間や他の機械)との円滑な協調の実現へと繋がる工学的応用可能性も期待される.
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