研究課題/領域番号 |
19K20391
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 富士通株式会社(富士通研究所) (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019-2021) |
研究代表者 |
山根 宏彰 富士通株式会社(富士通研究所), その他部局等, 研究員 (70825562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ユーモア / モラル / ミーム / 大規模言語モデル / ニューラルネットワーク / 大規模学習済み言語モデル / 感情 / クラウドソーシング / RNN / コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
高次な感情、中でも「ユーモアから誘発されるおかしみの感情」や「モラルの基準に照らした正義感」を人工知能に理解させること、また逆に、人間にそのような感情を感じさせる文章等のコンテンツを生成させること、はチャレンジングなテーマである。このようなヒューマンフレンドリーな人工知能に繋がる基盤を実現するため、「高次な感情に対する理由付きコーパスの構築と、ユーモア認識および生成への応用」を提案する。 具体的には、まず事物に対するおかしみの度合い、善悪の評価などに関して、多様なパターンのデータ収集を行う。文章生成を行うニューラルネットワークを学習させることにより、ユーモア生成、及びその包括的な理解を目指す。
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研究実績の概要 |
当該年度においても、研究目的と実施計画を達成するための一定の進捗が見られた。具体的には、マルチモーダルなミームに関する共同研究と、大規模言語モデルを利用した感情理解の進展が主要な成果である。 最初に、画像を含むマルチモーダルなミームと呼ばれる画像とテキストからなるユーモアに関する共同研究を進めることが出来た。テキストだけでなく、視覚的な要素を含む情報からも、「高次な感情の理解」が可能となったといえる。ミームの面白さ評価を含んだデータセット構築に加え、ユーモアにおける不一致の理論に基づいたモデルの構築を行った。また、本研究の成果は国際会議のワークショップで発表済みである。 次に、大規模言語モデルであるChatGPTの利用により、感情理解への予備的実験を行っている。このアプローチは本研究の目的に直結し、ユーモアや正義感といった高次な感情を人工知能が理解し、それを反映したコンテンツ生成に向けて意義深いものである。 しかしながら、当該年度において、私自身の転職により、研究に充てる時間が当初の想定よりも限られてしまっていた。その結果として、前々年に大枠として本研究の目標が達成されていたものの、ユーモア、モラルの精緻化、深化に関して、それ以上の大きな成果を得ることが難しかった。したがって、本研究課題を一年間延長し、今後もこのテーマの研究を続けることで、最新の大規模言語モデルなどを利用した研究を遂行し、人間の高次な感情を理解し、人間らしい人工知能の実現に向けた更なる研究成果に繋げる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前々年に大枠として本研究の目標が達成されていた。 転職前後で時間を確保することが困難だったため、ユーモア、モラルの精緻化、深化に関して、それ以上の大きな成果を得るには時間が不足していた。一年間延長することで、本目標を達成するべく研究を遂行予定である。
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今後の研究の推進方策 |
我々の研究は、高次の感情を理解し、それを反映したコンテンツを生成する能力を人工知能に組み込むことを目指している。研究の推進には、次の手順を計画している。まず、最新の大規模言語モデルを利用して感情理解の予備実験を継続する。最終年度には、これまでの成果を組み合わせて、ユーモアと正義感を含むより広範な高次の感情を理解し、生成する能力を持つ人工知能の構築を目指す。
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