研究課題
若手研究
本研究では、機械学習技術を応用し、大人数の個人発現量データを必要とせずに、個々人のゲノムデータから遺伝子発現量の個人差を予測し、遺伝子発現量と表現型の関連解析を行う方法を開発し、個人から採取が困難な組織・細胞型の遺伝子発現量と表現型の関連を発見することを目指す。
遺伝子発現の個人差と表現型の関連を調べる手法の開発を目指した。その中で、大規模エピゲノムデータに基づき、ゲノム配列の個人差が転写因子結合に与える影響の予測に成功した。また、遺伝子発現変動に生体内環境が与える影響を調べるため、臓器由来の1細胞空間トランスクリプトームデータにおいて各細胞の遺伝子発現変動に周囲の細胞が与える影響を評価した。さらに、遺伝子発現の個人差と表現型の関連について知見を得るため、大規模コホートのがん組織由来バルクRNA-seqデータと少人数のがん組織由来1細胞RNA-seqデータから、発現量の多寡が生存時間に影響を与える細胞間相互作用を抽出し、予後との関連を明らかにした。
ヒト疾患関連変異の大半はタンパク質のアミノ酸配列を変えない非コード変異である。これらの非コード変異は主に遺伝子発現量の違いを通じて表現型の違いを生み出すため、さまざまな臓器での発現量の個人差が表現型とどのように関連するかを調べることは、疾患発症リスクや精密医療の観点から重要である。本研究では特に、ゲノムの個人差と転写因子結合の関係や遺伝子発現変動と細胞間相互作用の関係を明らかにすることで、大量の個人ゲノムデータが蓄積しつつある現代社会において、ヒト疾患研究の基盤を与えると期待される。
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