研究課題/領域番号 |
19K20400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2021-2022) 奈良先端科学技術大学院大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
国田 勝行 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40709888)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 細胞運動 / Rho GTPase / 逆相関解析 / 数理モデリング / システム同定 / 分子活性 / 生物物理 / Rho活性 / シグナル伝達 / 力学モデル / データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞運動は胚発生やがん細胞浸潤など様々な場面で見られる基本的な生命現象の1つである。本研究では細胞運動を協調的に制御しているGタンパク質(Cdc42/Rac1/RhoA)の活性情報と力学に基づく物理モデルを用いて、細胞の移動を精密に予測する解析アルゴリズムを開発する。生細胞イメージングで計測されたGタンパク質活性データと細胞-基質間の相互作用を考慮した物理モデルを用いてベイズ推論に基づくシステム同定を行い、形態の変化を予測する(データ同化予測)。観測が困難な細胞膜張力も同時に推定する。協調的なGタンパク質活性と膜張力の情報がどのようにして細胞形態変化へ変換されるのかをシステムとして理解する。
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研究成果の概要 |
研究成果は以下の2点である。初めに、生細胞イメージングの個別計測データを統合化するMotion-Triggered Average(MTA)法を開発した。逆相関解析に基づきエッジが同じ動きの場合における平均活性度時系列を収集した。次に、3つのRho GTPase(Cdc42/Rac1/RhoA)の活性度時系列をエッジ速度系列に変換する数理モデルを同定した。形態変化と分子活性の生物物理モデリングから得られた回帰モデルに対してシステム同定解析を行い、3つのRho GTPase活性度から定量的にエッジ速度を予測する数式が存在すること、それは活性度とその時間微分の和からなることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた数理モデルから、細胞の移動方法の普遍的な制御メカニズムが解明される可能性がある。MTAとシステム同定を他の細胞株に適用することで細胞種ごとの移動方法が解明され、メカニズムの違いから新たな生物学的発見が得られることが期待できる。さらにMTAのデータ前処理法は、原因と結果の時系列があれば、ヒトや植物、微生物など様々な生命現象に適用可能であり、複数因子による制御システムの原理解明に繋がる。
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