研究課題/領域番号 |
19K20403
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 秀幸 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (70826263)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 個別化医療 / 層別化 / 人工知能 / 消化器がん / 大腸がん / 胃がん / 予後 / 予後予測 / 大規模データ |
研究開始時の研究の概要 |
胃がん大腸がんの患者さんの遺伝子発現データと臨床データについて、既存の文献報告を統計学的に統合し、人種を超えて消化器がんにおいて予後に関わる遺伝子群を同定する。それらの中から最適な遺伝子の組み合わせを調べるために、機械学習的なアプローチを採用していく。患者さんの生存率を層別化するような人工知能のモデルを構築し、予後予測器を生成する。人工知能によって予後予測に特に重要だと判断されたいくつかの遺伝子について、胃がんおよび大腸がんの細胞株を使い、分子生物学的な実験にてその意義を明らかにし、そこから有望な治療戦略を考案する。
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研究成果の概要 |
がんは日本人の死因のトップであり、その中でも大腸がん・胃がんはたくさんの患者さんがいる。これまで行われてきた治療法では、より大きな視点から患者をいくつかのグループに分け、それぞれのグループ内であれば概ね同じ治療をしてきたが、個別化医療の観点からはより精密な層別化が望ましい。そのため我々は数千人の患者さんの予後と遺伝子発現の間に見られる関係性を統計学や機械学習を使って解き明かし、mPS_colonというスコアを作成した。このスコアの有用性はいくつもの患者コホートで検証され、既存の層別化方法を上回るものであった。遠くないうちに実際の診療への応用が望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで大腸がん・胃がんにおいてさまざまな予後規定遺伝子が報告されてきたが、いずれもごく限られた患者データや実験データから得られた報告であった。今回我々は数千人という大規模の患者データを統合し、具体的な予後層別化スコアを提唱したところに大きな学術的な意義がある。また社会的にも、このシステムを使えば本来は化学療法をしなくてもいい患者さんを同定できるため、過剰な治療を避けることにつながる。
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