研究課題/領域番号 |
19K20404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石川 大輔 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (00722919)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | DNAナノテクノロジー / メカノケミストリー / 機械受容チャネル / 界面膜 / 力学的チューニング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞が力学的刺激(機械刺激)を識別して応答する細胞力覚機構の解明は,生体に関する学術的探究に加え,理学療法や創薬,再生医療などに対し物理的根拠に基づいた知見や技術を提供し得る重要な社会的意義を有している.本研究では細胞力覚機構のうち機械受容チャネルと生化学反応の複雑な相関の解明のため,力学的刺激による機械受容チャネル駆動と分子変換反応発現の人工的構築を目的とする.本研究の達成によって,生体に対する力学的刺激の応答機構を探求しその応用を目指す研究領域であるメカノバイオロジーに対し,誰にでも扱えるシンプルな無生物モデル構築技術を提供できる.
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研究成果の概要 |
本研究では,力の感知と細胞内シグナルへの変換機構における,力学的刺激による機械受容チャネル駆動と付随して起こる分子変換反応の人工的構築を目指した.DNAオリガミで新規作製した,四隅が柔らかく変形するDNAナノチャネルは水溶液中において柔らかく変形することが透過電子顕微鏡観察から視覚的に確認でき,したがって力学的な力によって変形し得ることが示唆された.本研究に関連して,部分的な疎水基の導入により両親媒化したDNAオリガミ構造体を油水界面集積させることで,油中水滴カプセルの形成とカプセル間のイオン輸送に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
力学的刺激の機械受容チャネルを介した生体に対する作用の解明が,「メカノバイオロジー」という学問領域として進められている.より体系的かつ物理的に力学的刺激が生体に与える影響を調査し,理学・作業療法,医学応用への科学的基盤を強固にするためには,誰にでも扱えるシンプルなモデルを無生物でin vitroに構築することが重要である.本研究で提示するDNAナノチャネルは細胞膜中の機械受容チャネルの力学応答を二次元界面膜という無生物構造体で再現することを可能にし,細胞の力覚応答機構の解明に貢献する.
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