研究課題/領域番号 |
19K20408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
横田 亮 科学警察研究所, 法科学第二部, 主任研究官 (80733154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 異同識別 / 微生物叢 / シークエンス解析 / 多様性解析 / 機械学習 / 16S rRNA遺伝子 / メタゲノム解析 / 法科学 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代シークエンサーによる遺伝子解析技術の急速な進歩により、世界各地で膨大な細菌叢の遺伝子配列情報が蓄積され続けている。法科学の分野において、細菌叢遺伝子情報を用いた鑑定手法はヒトDNA型鑑定に次ぐ新たなDNA情報を用いた鑑定技術として期待されており、土砂等の鑑定資料の異同識別、或いは、犯罪で利用された道具と犯行現場との関連付けに活用できると目される。 本研究では、既存の論文で公開されている世界各地の細菌叢16S rRNAデータセットを有効活用し、物証に付着した微細な資料中に含まれる細菌叢の遺伝子情報をもとに犯行現場の特定や被疑者関与の証明を目標とした新たな統計的解析手法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、T細胞受容体(TCR)のレパトア解析の知見を微生物叢の16S rRNA配列の解析に応用した採取試料の異同識別に関する新たな手法の開発を当初の計画としていた。しかし、既存研究の公開データや共同研究者より提供された実験データを解析したところ、温度または湿度等の環境要因、さらには経時的変化等の影響による菌叢構成の不確実性が顕著に観察され、16S rRNA配列情報から採取資料(個人)の異同識別を実用化レベルの推定精度で実現することが現状では難しいと判断された。 そこで、当初の計画を変更し、所属研究所の共同研究者と共にウイルス叢情報の活用について新たに検討し、CRISPR領域のスペーサー配列情報から個人の異同識別を行う手法の研究に取り組み、その研究成果を研究二年度目に国際論文誌mSystemsにおいて発表した。さらに、DNA抽出プロトコルが微生物叢の構成分析結果に影響を与える可能性が示唆されたことから、共同研究者と共にDNA抽出プロトコルの最適化について検討し、2つの異なるDNA抽出プロトコルにおいて16S rRNA遺伝子コピー数とCRISPRの多様性に関して各プロトコル間で有意な差がないこと、また、線型サポートベクターマシンを用いた個人の予測モデルの精度においても差がないことを確認し、その研究成果を研究三年度目に国際論文誌Forensic Science International: Reportsにおいて発表した。 また、本研究では、新たに解析手法を開発するにあたり、急速に発展する配列データの解析技術を広く調査した。その成果の一つとして、TCRレパトア解析手法に関する総説論文を研究最終年度(新型コロナウイルス感染症の影響により研究期間を1年延長)にFrontiers in Immunology誌において発表した。
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