研究課題/領域番号 |
19K20433
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (2021) 筑波大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
秋津 朋子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 主任研究開発員 (90590597)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 光合成有効放射 / 日射に対する割合 / 簡易推定モデル / 全球分布 / 季節変化 / 日射 / 水蒸気圧 / 雲量 / PAR比 / 推定モデル / 光合成有効放射 (PAR) / 日射に占めるPARの割合 / 比 / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の二酸化炭素吸収量を推定するためには、植物が光合成に使うことができる光の量 (光合成有効放射、PAR) を知ることが必須である。そこで、多くの地球規模 (広域) での生態系モデルでは、一定の「日射に対するPARの比 (以下、PAR比と呼ぶ)」 を日射量にかけてPARを算出している。しかし、PAR比は一定ではなく、水蒸気圧の変化によって約15%変化する (Akitsu et al., 2015)。そのため、本研究では、PARと日射のそれぞれを、直達光と散乱光を分けて観測する方式により高精度観測し、その結果を用いて、季節変化や気候変動に伴って変化するPAR比の汎用的な推定モデルを作成する。
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研究成果の概要 |
本研究では、日射と光合成有効放射 (PAR) の高精度観測によるデータを用いて、日射に占めるPARの割合 (PAR比) を推定する2つの簡易モデルを作成した。 1つ目は、水蒸気圧のみから推定する最も簡易的なモデルであり、2つ目は、雲の影響を加味したモデルで、水蒸気圧とclearness indexを用いる。本研究では、大気放射伝達コードRstar6bを用いて、様々な大気モデル (高緯度、中緯度、熱帯) においても、これらの推定モデルが適用可能であることを確かめた。また、全球のPAR比分布とその季節変動を示した。年平均のPAR比は、地球全体では、0.409から0.477の変動幅があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PAR比は、日射からPARを推定するために、多くの生態学的研究で使用されてきた。しかし、その比が0.45なのか0.46なのか、またその全球分布や季節変化については、わかっていなかった。本研究では、これまで確立されていなかった「汎用的かつ簡易的なPAR比推定モデル」を作成した。これにより、PAR比を約3%以内の誤差で推定でき、一定の比を使用した場合と比較して、PAR推定誤差を大幅に削減することが可能になった。また、PAR比の変動幅 (約0.41から0.48) や、PAR比の全球分布、その季節変動が明らかになった。本モデルからは、環境変動による水蒸気圧上昇がおこるとPAR比の上昇が予測される。
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