研究課題/領域番号 |
19K20442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 圭太郎 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (30815494)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 安定同位体 / 古気候 / 花粉 / 年縞 / 化石花粉 / 安定同位体比 / 花粉化石 / 水月湖 |
研究開始時の研究の概要 |
福井県水月湖から得られた年縞堆積物に対し、花粉化石の安定同位体比分析を実施し、過去15万年間の陸上の古気候復元を行う。氷床や海洋コアの分析からは人間が居住する地域の古気候変動に関する直接情報を得ることは難しかった。本研究では、世界の人口が集中する中緯度地域に位置し、世界最高の年代決定精度を持つ“水月湖年縞堆積物”を使用し、花粉化石の抽出技術を応用することで、世界に先駆けた陸上の古気候復元と、他地域との高精度な比較を行う。これまで安定同位体比分析の湖沼堆積物への応用は限定的であった。本研究は、安定同位体比を用いた高精度古気候復元を、多くの陸上堆積物で可能にする革新的研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、新手法による過去の気候変動の復元を目指して、福井県水月湖の過去15万年間の堆積物からセルソーターを用いて化石花粉を高純度抽出するとともに、抽出した化石花粉及び現生花粉の酸素・水素安定同位体比測定を行った。その結果、花粉の酸素安定同位体比は石筍の酸素同位体比などと同期的な変動を示すなど、モンスーンの影響を強く受けていることが示唆された。安定同位体比を用いた高精度古気候復元は、これまで氷床や海洋コア、鍾乳石などに限られていた。本研究は、安定同位体比を用いた古気候復元を陸上堆積物でも実現するもので、今後、様々な陸上堆積物への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化石花粉の安定同位体比は古気候指標として有力視されてきたものの、化石花粉の高純度抽出の難しさから長らく実現していなかった。本研究は、セルソーターによる化石花粉の高純度抽出技術を用いることで、その安定同位体比による古気候復元を初めて実現した。この成果は、水月湖の新たな古気候情報を提供するだけでなく、安定同位体比を用いた古気候復元を多くの陸上堆積物でも可能とするもので、陸域の古気候変動の理解を前進させる大きなきっかけとなる可能性がある。
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