研究課題/領域番号 |
19K20444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
後藤 大輔 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10626386)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 炭素循環 / 大気中酸素 / 北極域 / 大気ポテンシャル酸素 / 大気中O2濃度 / 大気中CO2濃度 / 北極域の環境 / 炭素収支 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、北極・ニーオルスンにおいて大気中CO2およびO2濃度の系統的高精度観測を実施することで、北極域における大気ポテンシャル酸素(APO)の長期変動の実態を把握し、その要因を解明する。APOとは、大気中O2, CO2濃度観測から導出され、大気海洋間のO2交換により変動するトレーサーであり、大気海洋間のO2交換メカニズムや、海洋循環、海洋生物過程の理解に応用されている。北極域のAPOの長期変動と様々な気候変動因子、大気輸送モデルによる数値実験との比較からAPOの長期変動要因を理解することで、大気海洋間のO2交換メカニズムを解明し、温暖化の主因とされるCO2の全球収支推定精度向上に貢献する。
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研究成果の概要 |
大気ポテンシャル酸素(APO(=O2+1.1×CO2))は大気-海洋間のO2交換によって変動するトレーサーであり、大気-海洋間のO2交換のメカニズムや、海洋循環、海洋生物過程の理解、全球炭素収支の定量評価に利用されている。本研究では、スバールバル諸島ニーオルスンにおいてO2, CO2およびAPOの系統的観測を実施し、十年規模周期の海水面温度の変動やエルニーニョ現象といった気候変動因子との比較から、APOの年々変動の実態を把握するとともに、O2, CO2, APOの長期変動を解析することにより海洋と陸上生物圏の全球平均的なCO2吸収量を評価し、近年の炭素循環の定量的な理解に貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
産業革命以降の人為起源のCO2排出量増加を主因とする「地球温暖化」は、国際的に重要な問題となっている。この問題に対応するためには、CO2がどこからどれだけ大気に放出され、どこでどれだけ吸収されるか、という地球表層における炭素収支を解明し、CO2増加の原因を定量的に理解しなければならない。本研究では、全球CO2収支の定量評価に利用可能な大気中O2およびCO2濃度の長期観測を実施した。観測された両者の長期的な変動傾向を解析することにより、近年の地球表層のCO2収支を定量的に評価し、全球炭素循環の定量理解に貢献した。
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