研究課題/領域番号 |
19K20449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 真太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (20837869)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | DNA二重鎖切断修復 / II型DNAトポイソメラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
放射線などの環境要因や内的要因から自然発生するゲノム切断の多くは切断端が化学修飾された「汚い」切断であり、発がん性の強いDNA損傷である。この「汚い」ゲノム切断の修復はまず切断端を「きれい」(3′末端に水酸基、5′末端にリン酸基が付いた状態)にする必要があるが、分子機構の多くが不明である。そこで本研究では切断端の異常な化学修飾の除去を測定するバイオアッセイを開発する。申請者はDNAのもつれを解消するDNAトポイソメラーゼ(Top2)がしばしば触媒に失敗して「汚い」DNA切断を作ることに着目した。Top2によるDNA切断を一過的に誘導することで「汚い」切断を「きれい」な切断にする機構を解明する。
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研究成果の概要 |
放射線などの環境要因や内的要因から自然発生するゲノム切断の多くは切断端が化学修飾された「汚い」切断であり、発がん性の強いDNA損傷である。しかし、その修復機構の多くが不明である。本研究では、DNAトポイソメラーゼII(Top2)による「汚い」ゲノム切断をモデルとして、修復機構を解析した。ヒト乳がん細胞MCF-7や、TK6 B細胞を用いて解析した結果、Top2が切断端に結合した「汚い」ゲノム切断の修復に、様々なDNA修復因子が複合的に関わることが明らかになった。この成果は放射線などにより自然発生する「汚い」ゲノム切断を修復する経路の異常により、ゲノムに変異が蓄積する機序を理解する一助となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線などの環境要因や内的要因から自然発生するゲノム切断の多くは切断端が化学修飾された「汚い」切断であり、発がん性の強いDNA損傷である。この「汚 い」ゲノム切断の修復はまず切断端を「きれい」(3′末端に水酸基、5′末端にリン酸基が付いた状態)にする必要があるが、分子機構の多くが不明である。本研究では、内的要因から発生する「汚い」切断をモデルとして解析し、「汚い」ゲノム切断を「きれい」にする過程に、様々なDNA修復酵素が複合的に関わっていることを明らかにした。この成果は、放射線などにより自然発生する「汚い」ゲノム切断を修復する経路の異常により、ゲノムに変異が蓄積する機序を理解する一助となる。
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