研究課題/領域番号 |
19K20451
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
|
研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
恵谷 玲央 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20783450)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 低線量放射線 / 造血幹細胞 / 遺伝子変異 / 繰り返し照射 / 放射線影響 / 急性骨髄性白血病 / 放射線 / 白血病 / CT / 部分照射 |
研究開始時の研究の概要 |
頭部X線CT 検査の回数に依存して白血病や脳腫瘍の発症リスクが増加することが報告されているが、頭部への低線量の放射線繰り返し部分照射が発がんリスクを増加させることを示した実験データは少ない。本研究では、動物用X線CT検査装置を使用して、マウスの頭部あるいは全身に臨床レベルの放射線を繰り返し照射して、白血病の起因となることが知られている造血幹細胞中の染色体異常(遺伝子異常)の有無とその蓄積の程度の経時変化について多角的に検討する。さらに、これまでに報告されている研究結果と対比することで低線量の放射線の部分照射と白血病リスクとの関係について解析を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、8週齢の雄性C3H/Heマウスの全身または頭部に1.0GyのX線を単回照射もしくは24時間間隔で100mGy×10回の繰り返し照射し、照射1週目から26週目までの諸臓器組織(大腿骨骨髄、頭蓋骨骨髄、脾臓)中の造血幹細胞数と、放射線誘発急性骨髄白血病(rAML)に必須なSfpi1遺伝子の欠失をもつ造血幹細胞の割合を解析した。その結果、Sfpi1遺伝子の欠失を有する造血幹細胞 は諸造血組織において時間経過とともに蓄積される可能性が示唆された。また、照射後のSfpi1遺伝子の欠失は、非照群と比較して単回照射によって増加し、繰り返し照射群よりも高かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CT検査のような低線量放射線の繰り返し被ばくと発がんリスクに関する詳細な情報は少ない。そこで本研究では、低線量放射線の繰り返し暴露による白血病発症のメカニズムの特徴を明らかにするため、rAMLのモデルであるC3H系マウスの全身にX線を単回照射あるいは分割で繰り返し照射し、骨髄細胞中に生成されるrAML発症に関与するSfpi1遺伝子の欠失頻度とその時間変化の差異について検討した。24時間という比較的短い照射間隔をとることや一回線量を低くすることによって、遺伝子欠失を有するHSCの細胞動態(蓄積と排除)に影響を与え、rAML発症リスクに影響することが示唆された。
|