研究課題/領域番号 |
19K20455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 (2020-2022) 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 (2019) |
研究代表者 |
工藤 健一 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00805799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オルガノイド / 乳腺 / ラット / ヒト / 幹細胞 / 放射線 / 放射線影響 / ΔNp63α / TP63 / p63 / 放射線応答 / 放射線抵抗性 / DNA損傷 / γH2AX / 再生医療 / 放射線発がん |
研究開始時の研究の概要 |
近年の乳がん患者の増加から、その発生メカニズムの解明に先進的な知見が求められている。東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、放射線医学・生物学の分野では動物実験を主体とした低線量被ばく研究が進められてきたが、現在、動物実験における様々な問題からより簡易的でスピーディに解析できる実験系が求められている。本研究はSDラット雌の乳腺幹細胞から自己組織化したオルガノイドを作製し、免疫染色を実施して実際のラット乳腺と構造や特徴を比較したのち、フローサイトメトリー等によって放射線応答解析を行う。最終的に、ヒト乳腺幹細胞を用いて放射線発がんプロセスを解明するためのin vitro実験系の構築を目標とする。
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研究成果の概要 |
本課題はヒトおよび実験動物の放射線応答解析をするため、in vitro実験のツールとしての乳腺オルガノイドを開発することを目的とする。Sprague Dawleyラット雌から採取した乳腺基底細胞をセルソーティングにより取得し、これをコラーゲンゲル内に包埋して培養することでin vivo乳腺様構造のオルガノイドの発生を確認した。また、ヒト乳腺上皮細胞を同様に培養し、管腔構造を持つヒト乳腺オルガノイドを作成した。フローサイトメトリーおよび免疫染色解析の結果、これらのオルガノイドは部分的にin vivo乳腺と共通する性質をもち、これらを組織する各細胞はそれぞれ特有の放射線応答を示すことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
様々な臓器を対象として動物実験による放射線影響解析が進められているが、ヒトと動物の架け橋となる研究手法は見つかっていない。また、古くから放射線誘発がんの起源細胞 は組織幹細胞だと考えられているが、幹細胞の科学技術が進展し、放射線生物学の分野でも幹細胞操作技術を応用した研究を展開する素地が整っている(ICRP Publication 131)。本課題はそのような背景をもとに放射線感受性が高い臓器である乳腺からin vitro環境でin vivoに近い性質を示すオルガノイドを作成し、低線量影響研究へ応用することでより効率的かつ迅速に放射線影響解析を行う基礎の作成を試みた。
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