研究課題/領域番号 |
19K20457
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
アイツバマイ ゆふ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (90752907)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | フタル酸エステル / リン酸トリエステル / 二次性徴 / コーホート研究 / バイオモニタリング / 複合曝露 / Phthalates / Alternative plasticizers / Pubertal onset / Children's health / Biomonitoring / Birth cohort / フタル酸エルテル代替化合物 / 可塑剤難燃剤 / フタル酸エステル類 / 難燃剤 / 第二次性徴 |
研究開始時の研究の概要 |
プラスチックの可塑剤や難燃剤として日用品に汎用されるリン系難燃剤とフタル酸エステル類は、同様の曝露源・曝露経路を有し、恒常的かつ複合的な曝露による健康影響が懸念されている。本研究では、性腺機能が未成熟な思春期前のリン系難燃剤およびフタル酸類の曝露またその複合曝露によるその後の第二次性徴発来へ及ぼす影響を解明することを目的とする。児の第二次性徴は調査票を用い、リン系難燃剤とフタル酸類は、児の尿中代謝物濃度をLCMSMSを用い測定する。思春期前の曝露に着目し、第二次性徴発来への影響を評価する点に加え、個別の影響のみならず複合曝露も検討した研究はこれまでにない。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、大規模出生コーホート『環境と子どもの北海道研究(北海道スタディ)』において、思春期前のリン系難燃剤とフタル酸類の単一曝露および複合曝露による児の第二次性徴発来への影響について前向きに検討することである。 北海道スタディの12歳調査票より、12歳時点の児の二次性徴発来の有無を評価した。7歳の時に回収した児の尿中フタル酸エステル類代謝物10化合物濃度をLC-MS/MSで測定した。児のBBzP代謝物のMBzP濃度が高いと胸の発育が有意に遅くなる関連性が認められた。一時点の曝露評価であるため結果の解釈には注意が必要である。今後は7歳児の他の化学物質との複合曝露による影響を検討する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、思春期発来前のフタル酸エステル類曝露によるその後の二次性徴発来への影響を検討した日本初の研究である。プラスチック可塑剤やパーソナルケア製品に含まれるDnBP、BBzPによる二次性徴発来遅延の関連性を示した。二次性徴発来の遅延は生殖能力や乳がん等の疾患に影響することが知られている。より詳細な検討や更なる科学的知見の蓄積が必要であるが、将来的にはこれらの知見を基に近年増加している生殖能力および妊孕性の低下、乳がん等の予防医学への貢献、ならびに製品への使用規制等、政策への提言に貢献することができる。
|