研究課題/領域番号 |
19K20459
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
黄瀬 佳之 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (00818528)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | オゾン / 光合成 / 収量 / 植物成長モデル / 影響評価 |
研究開始時の研究の概要 |
光化学オキシダントの主成分であるオゾンは酸化力が非常に強く、日本の一部地域では農作物の収量が数十%減少していることが報告されている。今後も対流圏のオゾン濃度の上昇が予測されており、オゾンによる農作物被害の現状把握や対策が求められる。本研究では、農作物の生産性の維持・改善に向けてオゾンの影響プロセスを組み込んだ植物成長モデルの新規開発に取り組む。そして、開発した植物成長モデルを用いて、日本の農作物の収量に対する現状レベルのオゾンの影響評価を行い、オゾン対策の必要性について検討する。
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研究成果の概要 |
近年、農作物に対するオゾンの悪影響が懸念されている。本研究では、オゾンの影響プロセスを組み込んだ植物成長モデルを開発し、比較的オゾン濃度が高い関東圏で広く栽培されているコマツナを対象として現状濃度のオゾンによる収量低下率を評価した。都道府県によってオゾンによる収量低下率は異なるが、7月において最も高く、10-27%であった(2010-2019年の平均)。これはオゾン濃度が高いことと、気温が高くてオゾンの悪影響が発現しやすいことに起因していた。したがって、オゾン濃度の低減対策のみならず温暖化対策も必要だと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのオゾンの影響評価モデルは経験的なモデルであり、本研究で開発したプロセスベースの植物成長モデルはより多様な環境条件に適用できると考えられる。本モデルを用いた解析によって、7月頃はオゾン濃度が高いことに加えて、気温が高いことでオゾンの悪影響がより一層顕著になることが明らかになった。また、このことから、将来にわたって農作物の収量を高く維持していくためには、オゾン濃度の低減のみならず温暖化対策も同時に進める必要があることが明らかになった。
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