研究課題/領域番号 |
19K20462
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中井 亮佑 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90637802)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 微生物 / 細菌 / バクテリア / 永久凍土 / 環境影響評価 / アーキア / 環境DNA / 極地 / 凍土 / 気候変動 / 特殊環境 |
研究開始時の研究の概要 |
北極圏に広がる永久凍土帯には数万年の時をかけて蓄えられた約9500億トンにもなる炭素が含まれている。近年の気候変動に伴う凍土大融解により、大量のメタンが生じるが、そのガス発生に関わるメタン生成菌を除いて、他の未知微生物群の全貌は明らかになっていない。本研究では、古環境情報を記録した媒体として有用な永久凍土層の巨大氷(エドマ氷)を用いて、氷に閉じ込められた未知微生物群の実態に迫ることを目的とする。環境DNA 解析にくわえて、申請者らが確立してきた超微小微生物の回収技術も併用することによって、微生物群集の系統や多様性・潜在機能を高解像度で解き明かす。
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研究成果の概要 |
本研究では、アラスカ永久凍土層の氷試料を標的として、氷中に含まれる未知・未培養微生物の実態解明に取り組んだ。その結果、氷中にはActinobacteriaとProteobacteriaが主に優占することと、未培養候補門やAcidobacteria等の新規微生物が局所的に準優占することが見出された。メタゲノム解析により、有機物分解やガス生成に関わる生態機能をもつ未培養系統群も検出された。現在、それらと現場の地質学的・地球化学的データとの関連を考察中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球環境変動によって大融解が促される永久凍土は、有機炭素の巨大な貯蔵庫である。この種の凍土には、肉眼では見えないが、多種多様な微生物(特にバクテリアやアーキアなど原核生物)を含んでいる。凍土融解による物質循環インパクトを考察するうえでは、それら微生物の実態と代謝機能の情報も重要であると考える。本研究で得た微生物群集構造とその生理生態の知見は、凍土融解時に現場で増殖して機能しうる微生物を考究するための基盤的知見になる。
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