研究課題/領域番号 |
19K20463
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 一般財団法人日本自動車研究所 |
研究代表者 |
須藤 菜那 一般財団法人日本自動車研究所, 環境研究部, 研究員 (70791424)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 粒子状物質 / 水溶性有機炭素 / 安定同位体比 / 発生源推定 / 有機エアロゾル / 安定同位体 / 植物燃焼 / 微小粒子状物質 |
研究開始時の研究の概要 |
微小粒子状物質(PM2.5)は人体への健康影響が懸念されており,これまで様々な環境対策が進められてきた.しかし,PM2.5の約3割を占める炭素成分の中でも水溶性有機炭素は,発生源が多く生成プロセスが複雑であるため未だに実態が解明されていない.そこで本研究では,水溶性有機炭素の成分ごとの安定同位体比を分析することで発生源を解明することを目的とする.成分ごとの分析に加えて,多元素の安定同位体比を使うことで,より一層明確な発生源の識別が可能になると考えられる.
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研究成果の概要 |
PM2.5の約3割を占める水溶性有機炭素は,発生源が多く生成プロセスが複雑であるため,未だに実態が解明されていない.本研究では,日本の2地点で2年間の大気観測を実施し,水溶性有機炭素の炭素安定同位体比を測定することで実態の解明を目的とした.日本海側の農村地域では,水溶性有機炭素の炭素安定同位体比は明瞭な季節傾向を示し,2019年2月から4月にかけて水溶性有機炭素の炭素安定同位体比は最も重い値が観測され,トウモロコシなどのC4植物燃焼物が海外から長距離輸送されたことを示唆していた.同位体を用いた手法は,水溶性有機炭素の発生源と大気プロセスを解明するのに潜在的に有用な手法であることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,PM2.5中の水溶性有機炭素の炭素安定同位体比を測定することで,国内および国外からの影響について発生源の特定につながる知見が得られたことは,学術的に大きな意義があると考えている.また,安定同位体を用いて詳細な発生源を特定することは,環境対策の視点からも社会的に意義のある結果だと思われる.
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