研究課題/領域番号 |
19K20465
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本田 匡人 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (80785791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ネオニコチノイド系農薬 / 環境汚染 / バイオモニタリング / 経口暴露 / ヒトバイオモニタリング / 健康影響評価 / ヒト尿 / 健康リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年ミツバチの生息数の減少などの環境汚染が深刻な問題となっているネオニコチノイド系農薬のヒトへの暴露実態の把握と健康影響評価を目指し、ネオニコチノイド系農薬および代謝物のヒト尿を用いたバイオモニタリングを行い、同時に酸化ストレスマーカー(8-OHdG等)などの影響指標物質も測定することにより健康影響を評価する。特に農薬汚染が拡がっていると考えられる日本海沿岸地域(対象地域:秋田、新潟、石川、福岡)を主とした研究を行い、またアジア圏で不足しているネオニコチノイド系農薬のヒトでのバイオモニタリングのデータベース構築にも寄与する。
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研究成果の概要 |
ネオニコチノイド系農薬のヒトでの汚染調査と影響評価のため、新潟・石川・福岡でバイオモニタリング調査を実施した。2019年1-4月、8-10月、2020年7-9月に合計325人から尿検体を収集した。 分析の結果、新潟県で比較的高濃度・頻度で農薬が検出され、各地域での3期間の間では第2・3期で比較的高濃度の農薬が検出される傾向があった。そのため農薬汚染は普遍的に発生しているが、同時に地域毎に農薬の使用時期・暴露量が異なる事も反映していると考えられた。質問票調査の結果、野菜類の摂取が農薬暴露に対して大きく寄与している事が確認された。同時に推定1日暴露量を算出した結果、健康へのリスクは低いと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果より、環日本海地域では新潟県においてネオニコチノイド系農薬のヒトでの暴露量が多い事等、本農薬の普遍的な汚染が示唆された。同時にヒトへのネオニコチノイド系農薬の暴露に主に野菜類の摂取が関与していることが確認された。 これらの結果は、今後の農薬類の疫学調査において基礎的知見を示す高い学術的意義と、近年社会的に注目される本農薬のヒト健康に及ぼすリスクに関する情報を一般社会に供する社会的意義の高いものである。今後本農薬の暴露と、酸化ストレスマーカー等の測定による生体内の酸化ストレスとの関連を調査することで、ネオニコチノイドの人体への健康影響について更に研究していく必要がある。
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